【ビエンチャン影山哲也】東南アジア諸国連合(ASEAN)関連首脳会議に出席するためラオスの首都ビエンチャンに到着した安倍晋三首相は6日、フィリピンのドゥテルテ大統領と初めて会談した。首相は、南シナ海の警備にもあたるフィリピン沿岸警備隊の能力向上に向け、全長約90メートルの大型巡視船2隻を供与すると表明した。フィリピンと連携して中国の海洋進出をけん制する狙いだ。同行筋によると、国連人権高等弁務官事務所が非難するドゥテルテ氏の麻薬対策に関するやり取りはなかった。 ドゥテルテ氏は、南シナ海権益に関する中国の主張を退けた仲裁裁判所判決について「裁判結果は尊重されるべきだ」と述べつつ、「中国との対話は今後も行う」と語った。首相は「大統領の立場を支持する。国際社会が法の支配の重要性を訴えていくことで、ぜひ両国が協力していこう」と応じ、早期来日も求めた。