Innovative Tech: このコーナーでは、テクノロジーの最新研究を紹介するWebメディア「Seamless」を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 独カールスルーエ工科大学と英ランカスター大学の研究チームが開発した「EarRumble」は、耳鳴りを発生させる筋肉収縮を利用してモバイル機器を操作するウェアラブルデバイスだ。大きな音を減衰させるのに使われる鼓膜張筋によって変化する外耳道内の圧力を測定し、ジェスチャーとして使う。 鼓膜張筋の収縮を自発的に制御すると、ゴロゴロ音や振動音などの耳鳴りが発生する。ただし、誰もが自発的に動かせるわけではない。オンラインアンケート調査では、鼓膜張筋を自発的に収縮させて耳鳴りを誘発できる人は43.2%の回答だった。 耳鳴りを誘発できる人のうち、80.7%が持続時間を変えたり、複数の音を連続して発すること