最初にSAKEROCKのメンバーと会ったのは、ファースト・アルバム『YUTA』がリリースされた時の取材の現場だったので、もう12年も前のことになる。メンバー全員が小さな部屋にちょこんと座っていた。みんなおとなしいな、最初はそんな印象だったと思う。 そうして、彼らの出身高校である自由の森学園の校風の話をきっかけに、彼らのユーモラスな音楽へのアプローチの出自をあれこれと探っていくうちに、基本みなどこか遠慮がちに口を開く中から、誰からともなく“うたごころ”といった言葉が出てきたことが今も強く思い出される。その後も取材中、何度もその“うたごころ”という言葉が口々に繰り返され、インタビュアーの私も、メンバーも、そこにいた誰もが何も疑問に感じることはなかった。それどころか、取材が終了する頃には、SAKEROCKは歌ものバンドなのだ、という意識がすっかり頭の中を占拠してしまっていた。もちろん、今でこそ星
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