44歳の誕生日を、こんな形で迎えることになるとは思ってもみなかった。 もともと誕生日を祝いたいタイプではないし、歳を重ねるごとに、人生の残りの蝋燭が目減りしているのを自覚しようという日になりがちだった。それが今年は、死を覚悟し、もしも本当にそうなったら、ということを想定しながら生活し、働いている。たとえばそれは「万一、学期の途中で授業を続行することができなくなったら」という想定で、科目の設計を行っているなんてこと。 世の中の多くの人が、修羅場というか鉄火場というか、そういう状況に直面している。今年は学部執行部のメンバーでもあるので、ほんとうに深夜まで多数の連絡が飛び交い、ものすごい速さで色んなことが変化し、判断され、実行されている。ベンチャー時代を思い出すというか、むしろスタートアップに放り込まれたと思って行動するのが、もっとも理にかなっているとすら思う。 「ハイテンションな自己啓発」とい