昭和の大晦日は歌の時代である。 夜7時からTBSテレビで「輝く!日本レコード大賞」(レコ大)が、夜9時からはNHKで「NHK紅白歌合戦」(紅白)が放映され、1970~80年代にかけての平均視聴率は、レコ大が36%、紅白は70.2%(いずれもビデオリサーチ関東地区調べ)。つまるところ、日本人の半数以上が20年もの間、大晦日に歌番組を視聴していたことになる。移ろいやすい国民性を思えば驚嘆に値する。 とはいえ、他局も手をこまねいていたわけでは決してない。日本テレビは、紅白を辞退した人気絶頂のピンク・レディーを擁して「ピンク・レディー汗と涙の大晦日」(78年)を新宿コマ劇場から生中継し、マンザイブームが日本中を席巻すると「輝け!笑いは日本を救う 5時間生放送」(80年)を、85年以降は「忠臣蔵」「白虎隊」「田原坂」「五稜郭」といった「年末大型時代劇」を放映したが、紅白の牙城を崩すには至らなかった。
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