原発事故による放射能漏れの風評被害から、欧州でも日本料理店への客足が遠のいていると聞く。ただ、「コアの人たちが来ないわけじゃないから、時が経てば、また人は自然と戻ると思うよ」という人は多い。キッコーマンにうかがったら、「醤油は日本食というより、土地に馴染んだ調味料と考えている人も多い。風評被害の影響はさほどありません」とコーポレートコミュニケーション部の伊東宏氏。とても心強い。長年培ってきた商材はさすがに違う。 今回から、食に関する話題を3回連続で掲載する。「ローカリゼーションマップ」では「『マルちゃんする』とメキシコで独自解釈されたカップ麺」において、カップ麺が海外でどのように広まったのか紹介した。日本食の受け止められ方というテーマでいうと、本特集はその続編になる。食を題材にすると異文化のあり方への理解が早い。日常的に様々な食を口にするので、舌は広い範囲の経験を積みやすいからだろう。 1