精神障害者の就労支援センターで、事業化に協力した「書類PDF化作業」の手順を指導する中川悠さん(右)=京都市中京区の「そらいろ」で2012年6月15日、山崎一輝撮影 グラフィックデザイナーのケンゴさん(32)はモバイル機器を片手にカフェやレンタルオフィスを渡り歩くフリーランス。はやりのノマド(遊牧民)・ワーカーに見えるがちょっと違う。目指すのは会社員とノマドの先だ。「ノマドになるのは簡単、でも続けるのは難しい。社畜かノマドのどちらかしか選べないって変じゃない?」 東京都心から電車で2時間、中流家庭が集まるニュータウンで育った。白壁の住宅が建ち並ぶ、地面のないのっぺりした街。両親は不仲で、逃げ場のないフラストレーションを抱えて過ごした。 高校2年だった97年、神戸で14歳の少年が連続殺傷事件を起こした。少年が自分を「透明な存在」と表現した言葉にだけは共感した。11月には山一証券が自主廃業。泣