楽天の岩隈久志は、いわゆる昔ながらの「エース論」では、なかなか解釈するのが難しい選手だ。 5月22日の巨人戦で先発した岩隈は、3-3の同点で迎えた8回表、1死を取った時点で中継ぎ投手にマウンドを譲った。結果的にリリーフした投手が2失点してしまい、楽天は3-5で敗れた。 その降板に対し、翌日に放送されたTBSの『サンデーモーニング』の名物コーナー、「御意見番スポーツ」の中で、野球評論家の張本勲が例のごとく「喝」とやった。 同コーナーでは、同じく野球評論家の「大沢親分」こと大沢啓二と張本の2人が、取り上げたいくつかのトピックに対し、良いと思ったプレーや言動には「あっぱれ!」と称賛し、逆に良くないと思った場合に「喝!」と叱責するのが恒例となっている。 張本の言い分は要約すればこうだった。 「100球も投げていないのに、エースが同点でマウンドを降りてはいけない。8回、9回はいちばん苦しいところ。こ