2015年6月の公職選挙法改正により18歳選挙権が制度化されて以来、にわかに高校生の政治教育がメディアで取り上げられるようになってきた。折しも、「SEALDs」のような若者の政治行動が耳目を集めたことも重なり、そこには、これまで政治的に無関心とされてきた若者の意識を変えるチャンスとの期待が生まれている。 こうした社会潮流の中、様々なメディアを通して、模擬投票や模擬請願のような先端的な主権者教育の実践を目にする機会も増えた。そこには積極的に調べ活動に励んだり、意欲的に討論したりする高校生たちの姿があり、ますます若者の政治意識に希望が持てる光景が描き出されている。 もちろん、公立高校の公民科教員である私自身も、こうした潮流に期待を抱く一人である。しかし、その期待と同時に、その光景と私が日ごろ授業で教える高校生たちの姿とのあいだにあるズレに、違和感を覚える自分もいる。 政治に対する高校生像 報道