ブックマーク / note.com/kotorigeika (8)

  • 映画「窓ぎわのトットちゃん」感想|小鳥猊下

    スパイを夢見る少女が、二国間の争いに翻弄される例の映画を見てきた。なんとかファミリー、楽しみですね、早くもコナンに次ぐ国民的作品になりそうじゃないですか、だと? バカモノ! スパイを夢見る少女の映画と言えば、国民的エッセイをアニメ化した「窓ぎわのトットちゃん」に決まっておろうが! この週末を越えれば、そのホニャララ家族によって上映回数を大幅に駆逐されてしまうだろうから、「徹子の部屋」という重大なネタバレ(ひどくない?)を回避しつつ、元祖・和製アーニャを劇場へおがみにいくがよいわ! 視聴する前は、著者人が「大した中身がないので、映像化は難しいだろう」と言っていたように、下手をすると「となりの山田くん」みたいな小品の集積になっているのではないかと危惧していましたが、作はトモエ学園での教育を物語の中心にすえて、戦前の社会と暮らしをていねいに描いていきます。「確かな考証と観察と演出があれば、脚

    映画「窓ぎわのトットちゃん」感想|小鳥猊下
    preciar
    preciar 2023/12/30
    俺の感想もこれに近い。物語の軸であるトモエ学園の教育や幼い恋と、執拗に描かれる(これ自体は本当に凄いのだが)戦争の影が何もリンクしないんだよね/あの一家は超上流で、戦争によって格差をリセットされる側
  • アニメ「おにまい」感想(第1話)|小鳥猊下

    タイムライン局所で話題沸騰中のロリコン作画アニメ「おにまい」の1話を見る。ゆうに十畳はあろうかという個室を与えられ、エロゲーをパッケージ版でコレクションする主人公は、近年というよりは90年代の引きこもりオタクに見えます。「言うほどエロくないし、言うほど動きもいいと感じないのは、ネット激賞の弊害だよなー」などと油断していたところ、後半部でタイトルを回収する台詞にふいをうたれ、気づけば涙を流していました。これこそが現代の男性にとっての救済、神不在の邦におけるドストエフスキー的救済だと感じたのです。オタクの抱く人としての苦しみは性別に由来していて、学歴、地位、カネ、家族、すべての社会的外形と競争から離れて、圧倒的に庇護される存在へと男性を「降りる」こと、これこそが求めていた魂の救済なのだと気づかされました。主人公の言葉をかりるなら、「お父さんは、もうおしまいでもいいのかな」とでもなるでしょうか

    アニメ「おにまい」感想(第1話)|小鳥猊下
    preciar
    preciar 2023/04/11
    泣いた(この批評を踏まえた上で全話視聴した上での感想です。これ以外の言葉は無粋では無いかとすら思う次第)
  • 映画「ククルス・ドアンの島」感想|小鳥猊下

    接触篇 外出中に2時間ほどをつぶす必要があって、上映時間が偶然ぴったりと重なったため、その予定はまったくなかったのにククルス・ドアンの島を見ました。閃光のハサウェイをすごく楽しめたせいもあるんですけど、はっきり言ってあれとはベツモノでしたねー。20年以上前からインターネットは個人的な日記帳とイコールなので、ガンダム作品はすべて未履修ーーより正確には、単位登録して講義も出席するんだけど、学期試験で合格点が取れないーーの人物から感想を残しますが、ファンの方々の気を悪くする意図はないことを、あらかじめ宣言しておきます。原作のエピソードはネットミーム的な画像以外もちろん未見でして、全体の印象としては冗長な尺や余計なシーンがかなり多くて、登場キャラの芝居や場面ごとの感情もつながっている感じがせず、どれも唐突に思えました。しかし、これこそがガンダム文法なのやもしれず、「逆襲のシャアを3回見たけど、スト

    映画「ククルス・ドアンの島」感想|小鳥猊下
    preciar
    preciar 2022/06/13
    かなり辛辣だが、まあ同意。原作見てるからあのシナリオを「まだマシ」としてなんとか許容できるだけで、単品の映画としてはかなり酷い脚本なのは間違いないよね
  • ドラマ「カウボーイビバップ(実写版)」感想|小鳥猊下

    ネトフリでカウボーイビバップの実写版を見る。アニメ版の台詞と場面と音楽をツギハギにコラージュした中身を、ファンのアマチュア・コスプレイヤーたちの演技で見せられてる感じ。画面の作り方は、一般ドラマの撮影とYoutubeの素人動画が混在しているみたいで、時折オッと思わせるカッコいい絵もあるんだけど、平均値を算出すると赤点になってしまう感じ。キャラについて言えば、スパイクはちっともジークンドーを使わないし、ジェットは多様性と人種への配慮で子持ちのバツイチ黒人にされるし、フェイはなぜか見た目を林原めぐみへ寄せたキャスティングにされている(だれ得やねん)。最初こそマジメに見ていたものの、早々にディアブロ2をプレイしつつの「ながら見」へと移行しました。吹き替えはオリジナルの声優が当てているーージェットの人が生きていればなあ!ーーので、画面さえ注視しなければ20年ぶりの新作エピソードを体験している気分に

    ドラマ「カウボーイビバップ(実写版)」感想|小鳥猊下
    preciar
    preciar 2021/12/07
    欧米、と言うかアメリカと言う「馬鹿でかい市場を持つクソ田舎」の色に他人様の作品を染め上げてドヤ顔するのもいい加減にして欲しいよね
  • 雑文「人気作品に学ぶ『ループ』と『転生』の正体について」|小鳥猊下

    FGOの新イベントをチマチマ進めてる。たまった無償石で回して出なかった新キャラが呼符1枚で引けたり、10キャラ以上の新衣装がドバッとタダで配られたり、やっぱりFGOは気前がいいなあ、と思った。これがウマ娘なら、新衣装は別キャラ扱いで6万円天井のガチャに入りますからね。ウマ娘、キャラやストーリーやゲーム性の良さは認めますけど、みんなもっと集金システムのエゲツなさを指摘するべきだと思いますよ。んで話をFGOに戻すけど、今回のシナリオはファンガスの筆ですね、間違いない。これだけの数のキャラを登場させながら、キッチリそれぞれの外してはいけない特徴を芯でとらえてミートして、打率10割ですべてクリーンヒットにしていく手腕はさすがだと思いました。他のライターの方々は、ファンガスの提示した各キャラの魅力をしっかり読み込んで、少しでもこの技術に追いつけるよう学んでほしいところです。個人的には、今回の題材であ

    雑文「人気作品に学ぶ『ループ』と『転生』の正体について」|小鳥猊下
    preciar
    preciar 2021/05/06
    ループ物が人生をやり直したいという欲望を内包してるのはまあそうだと思いますが、それは高齢特化ではなく割と普遍的じゃ無いかと。私は中学辺りから過去に戻りたくて仕方なかったし、時間遡行物も好物でした
  • シンエヴァ「第三村節考、あるいはケンスケについて」呪詛|小鳥猊下

    承前:ドキュメント「シンエヴァ・アディショナル呪詛(2021/3/6~3/24)」 *記事の後半で、津波の文章が書かれます。 チョムスキーの生成文法が上梓されたとき、「これで我々は、あと10年はえる」とのたまった言語学の先生の話、しましたっけ? いまの気持ちは、居並ぶ経済学者たちに、「みなさんは、どうしてこの大不況を予想できなかったんですの?」とお訊ねになられたエリザベス女王の逸話を聞いたときと同じものです。え、いったいなんの話をしてるのかって? もちろん、シン・エヴァンゲリオン劇場版の話に決まってるじゃないですか! アスカとのカップリングで急にスポットライトが当たったケンスケですけど、2回目の視聴を脳内で反芻しながら確認していくと、シンエヴァでのケンスケの描き方ってすごいサイコパスみ(アタシ、西古パス美! 17歳、女子高生!)あるなー、と思いました。還暦を過ぎた読者のために、もう少し噛

    シンエヴァ「第三村節考、あるいはケンスケについて」呪詛|小鳥猊下
    preciar
    preciar 2021/03/23
    「シン・エヴァンゲリオンに期待していたのは、虚構よりも現実へ多くの時間と感情を割かなければならなくなった大人たちへ向けた(後略)」/フィクションとして終えられず私小説に舞い戻っちゃったのが失敗の本質
  • ドキュメント「シンエヴァ・アディショナル呪詛(2021/3/6〜3/24)」|小鳥猊下

    承前:アニメ「2021年のエヴァンゲリオン」雑文集(1/15~3/5) 2021年3月6日どんどん気持ちが不安定になっていく。人生で2回エヴァが終わるなんて信じられない。 終わるのを見届けるなんて生やさしい感情じゃない、俺がエヴァを殺しに行くんだって気分になってる。じゃないと逆に殺される。 端的に言って、ビビッてる。これまでのエヴァへのディスりの数々が、これから戦うヘビー級チャンピオンを攪乱するための盤外戦に過ぎなかったことがわかる。それもただのボクサーじゃない、25戦25KO、そのうち20人をリング上で殺してる。 計量をパスした後の記者会見で、挑戦者の俺はビビッてることを隠すため、さらに狂騒的にしゃべり続け、チャンピオンはただ擬と黙っているだけなのに、こちらの心と体力がみるみる削られていくのだ。 この9年を平気な顔で生きてきたくせに、シンエヴァ視聴まで残り36時間ぐらいを残すばかりの今に

    ドキュメント「シンエヴァ・アディショナル呪詛(2021/3/6〜3/24)」|小鳥猊下
    preciar
    preciar 2021/03/17
    怨念。まあ、呪いをかけたのは監督だし、解呪の魔法としては低劣その物だったので仕方あるまい/必要だったのは、くっだらない私小説じゃなくて、活劇としてちゃんと娯楽・虚構に回帰する事だったと思うよ
  • 追悼「シン・エヴァンゲリオン劇場版:呪」|小鳥猊下

    *以下のリンク先を読んでおくと、呪いの効果が高まります。 アニメ「2021年のエヴァンゲリオン」雑文集(1/25~3/5) 旧劇のときにはこの世にいなかった人と席をならべて見て、終わったあとはいっしょに少し話をして、作を目にすることのないまま、この世を去った人たちに思いをはせました。旧劇からのファンと新劇から入ったファンでは、シンエヴァの受け止め方はかなり違うだろうことは理解しています。なので、ファースト・インプレッションでの言い過ぎをまず少し修正しておきますね。 「一般的な映画としては佳作から凡作の間くらいかもしれないが、エヴァンゲリオンとしてはゴミ」 2時間35分の半分ぐらいを過ぎたあたりから、もう腕時計ばっか見てました。私小説とプロダクトを両立するダブルエンディングは儚い妄想であり、「One Last Kiss」と「beautiful world(da capo ver.)」もスタ

    追悼「シン・エヴァンゲリオン劇場版:呪」|小鳥猊下
    preciar
    preciar 2021/03/12
    ほぼ完全に同意。あんなクソつまんない、外連味もセンスオブワンダーもない駄作を、「終わらせた」一事をもって評価してるみんな、甘やかしすぎ/トップ※が意味解らん。日本語読めてなくない?
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