木村さんがエルメスの乗馬ジャケットと出合ったのは、10年ほど前。 「エルメスが上質な革で馬具をつくるメゾンであることは高校生のころから知っていました。その上らん(=乗馬ジャケット)は憧れでしたが、子供に手の届くものではなく、大人になって旅先で偶然見つけたとき、あまりの美しさに心奪われて…。普段はデニムに合わせてカジュアルに着ますが、こんなに端正なのに、スポーツウエアだからとても丈夫!」 木村さんは高校時代、馬術部だった。友人に誘われ、軽い気持ちで入ってみると…。待っていたのは、毎朝早起きをして授業前と放課後に馬の世話をする日々。 「馬術は生き物を相手にする競技。怪我もしましたし、世話も大変ですが、責任感が生まれて仲間との絆が深まり、今でもみんな仲がいいんです」 彼女にとって、乗馬は厳しいものだったが、ある日、そのスタイルの優雅さに気づく出来事があった。 「乗馬をしていた明治生まれの祖父が、
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