標的型攻撃やビジネスメール詐欺、ランサムウエアなどの事件が頻発している。避けて通れないサイバー攻撃対策に企業はどのように取り組むべきなのか。さらに、企業が被害に遭った場合、その後の責任は誰が負うべきなのか。ソフトバンク・テクノロジーでセキュリティリサーチャーを務め、日本屈指のホワイトハッカーでもあり、『あなたのセキュリティ対応間違っています』などの著書でも知られる辻伸弘氏に聞いた。 サイバー攻撃被害の責任は社員個人が負うべきなのか? ―サイバー攻撃の脅威が指摘されて久しくなりますが、被害が後を絶ちません。昨年末には日本企業がビジネスメール詐欺に遭い、数億円をだまし取られた事件も起こりました。こうした場合に「怪しいメールは開くべきではない」と言われますが、最近のビジネスメール詐欺や標的型攻撃はかなり巧妙になっているそうですね。 辻 そのとおりです。私はあまり巧妙という言葉を使いたくありません