防衛省が、昨年12月に策定した新たな「防衛計画の大綱」に基づき、自衛隊の警戒監視・機動展開態勢などの強化策を検討するにあたり、沖縄県・尖閣諸島が中国に占領されるシナリオを作成していたことが8日、分かった。 偽装漁民の不法上陸に始まり、宮古・石垣両島への武力侵攻までを想定、自衛隊の奪還作戦に踏み込む。対中有事シナリオの全容が明らかになったのは初めて。 新大綱策定を受け、防衛省は「防衛力の実効性向上のための構造改革推進委員会」を設置。検討グループに陸海空3自衛隊の「統合による機能強化・部隊のあり方検討」を設け、機動展開態勢と指揮統制、警戒監視を課題に挙げた。 これらの課題検討にあたり、今年に入りモデルケースとして尖閣占領シナリオを秘密裏に作成した。 シナリオは大別すると3つの局面で構成される。 《(1)偽装漁民が不法上陸》 漁民を装った中国の海上民兵が尖閣諸島に上陸後、中国は「漁船が難破した」