『ガルドラボーク』(Galdrabók、アイスランド語で「魔術の書」)は1600年頃のものと推定されるアイスランドの呪術書である[1]。本書は47のまじないを収録した小さな手稿本である[2]。 17世紀のアイスランドでは多くの人が呪術師として処刑され、多数の呪術書が燃やされた。アイスランドの魔女裁判記録の統計によれば女性よりも男性が多く裁判にかけられており、呪術書や呪術的シンボルを描いたものを所持していた男性がそのかなりの割合を占めていたと考えられている。その時代のアイスランドの、知られる限り唯一の現存する呪術書が本書である[3]。 このグリモワールは四人の別々の人物によって編まれており、編集はおそらく16世紀末に始まり、17世紀中葉まで続いた。最初の三人の筆記者はアイスランド人で、四人目はアイスランド語の文献から学んだデンマーク系の人物であった[4]。本書を構成するさまざまなまじないはラ