旧日本陸軍が終戦直後、米軍から隠すために浜名湖に沈めた――との言い伝えが残る「幻の戦車」を探す潜水調査が5日、浜名湖北部の猪鼻(いのはな)湖で始まった。 初日は車体の発見には至らなかったが、調査を進める地元の団体は「敵に渡さないために隠された戦車なので、見つかりにくいのは当然」と意気盛んだ。潜水調査は7日まで続けられる。 この戦車は「四式中戦車チト」。旧陸軍が本土決戦用の切り札として開発したが、終戦間際に2両試作されただけで、量産化されなかったことから、「幻の戦車」と呼ばれている。 戦車に詳しい愛知県豊橋市のプラモデルメーカー「ファインモールド」社長、鈴木邦宏さん(54)らによると、チトは全長約6・3メートル、重量約30トン。搭載された75ミリ砲は従来使われていた戦車の約5倍の威力を誇り、最大装甲も75ミリと厚かった。鈴木さんは「日本は戦車の開発が遅れていたが、チトの完成でやっと世界標準に