綺羅は「日本高等教育史」という講義を受けているところである。初老の二宮先生が担当である。1860年代から2040年代まで180年間の高等教育の歴史を教わっている。二宮先生の話しはわかりやすいものの、どこか物足りなさを感じることがある。毎回の小テストはしっかりと合格点を取ってきた。高校までと同じ勉強方法で対応できるので楽ではあるものの、何かしっくりとしない思いが残るのである。 二宮先生は教授や准教授ではない。「教育学教育方法カウンシル」から派遣されている先生である。もともとは大学に所属する専任講師、准教授であったのだけれども、ある時にカウンシルから派遣される先生になったらしい。講義ではこの経緯を絶対に話してくれない。「日本高等教育史」の講義であるにもかかわらず…。一度、思いきって大学の准教授とカウンシルの先生の違いについて教えてもらおうとして、QQで連絡したことがある。大学の中に研究室を持っ