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2008年3月28日のブックマーク (2件)

  • 狐火の家/貴志祐介 - 不壊の槍は折られましたが、何か?

    狐火の家 作者: 貴志祐介出版社/メーカー: 角川書店発売日: 2008/03/01メディア: 単行購入: 1人 クリック: 32回この商品を含むブログ (57件) を見る 弁護士・青砥純子と防犯探偵・榎径が活躍する、『硝子のハンマー』に続く密室シリーズ第2弾である。とはいえ、今回は長編ではなく短編集で、雑誌掲載の短編3と書き下ろしの更に短い短編が1収録された。節々にこの二人のユーモラスなやり取りが挟まれるのが特徴である。 最初の「狐火の家」は、田舎のリンゴ園近くにあった家で、一家の長女が殺害されるというもの。密室を構成するのはその家屋そのものである。密室ものとしてはすっきりしたトリック、それと裏腹のやや煩雑な推理作法はいかにも格推理小説のそれっぽい。収録作品中では、恐らく最もかっちりした格推理と言えるだろう。なお話の雰囲気も編が一番深刻である。 続く「黒い牙」は、ある動物を

    狐火の家/貴志祐介 - 不壊の槍は折られましたが、何か?
  • 『虹ヶ原 ホログラフ』 - 魔王14歳の幸福な電波

    初いにおさん。テロリストがドンパチやるガンスリやら、マッチョの権化みたいな北方水滸伝やらの直後に読む作品としては、ちょっとい合わせが悪かった気もしますが。 人に感想を尋ねたら、閉塞感という言葉が出てきました。傍から見ていると、逃げようとすればどこにでも逃げられる状態である気はします。広い草原に自分たちで小さな円を描いて、その中でぐるぐる回って押しくらまんじゅうしながら「出られないー」と叫んでいる図のような。ただよくある話、円の中にいる人にとってそこには紛れもない壁があるのだと思います。 また、ときどき何かの拍子で円の外に足を踏み出せる瞬間があっても、お互いが足を引っ張り合って結局抜け出すことができないみたいなこともありそうです。そういうお互いのしがらみでがんじがらめになってる感じは、複雑に交錯する作中の人間関係のもつれ具合にも象徴されている気がしました。日暮の妹さんなんかは、空気読めない

    『虹ヶ原 ホログラフ』 - 魔王14歳の幸福な電波