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ブックマーク / tmaita77.blogspot.com (7)

  • 進学先は首都圏か関西圏か

    北陸新幹線が開通したことにより,北陸地方と東京がより短時間で結ばれることになりました。結構なことですが,関西圏の人たちは心境複雑のようで,大阪府の松井知事は「東京と北陸が新幹線でつながるとこちらが不利」と漏らしています。 http://news.livedoor.com/article/detail/9888447/ しかし,より危機感を抱いているのは,ほかならぬ大学関係者かもしれません。大学進学段階では地域移動が激しくなりますが,北陸地方といえば,首都圏と関西圏が常に拮抗しているところ。関西の大学にすれば,入学者の供給源を奪われることにもなりかねません。 これからどうなるかは,神のみが知るところですが,ちょっと現状分析をしてみましょう。文科省の「学校基調査」から,各県の高校出身の大学進学者が,どこの大学に進学したかを知ることができます。 http://www.mext.go.jp/b_

    進学先は首都圏か関西圏か
  • 偏差値群別の学部の退学率分布

    最近,一般入試で学生を多く入れている学部ほど正規就職率が高いとか,早い段階からゼミを必修にしている学部は退学率が低いとかいう記事をよく見かけます。それだけ,大学の「教育効果」というものに関心が集まっているのでしょう。 しかるに,この手の議論をする際,まずもって統制(control)すべき変数があります。それは入試難易度です。このような①インプット要因を揃えた上で,教育実践の有様(②スループット)と就職率なり無業率なりの③アウトプットの関連を追求する必要があります。 私もこういう分析をしたいと思い,現在独自のデータベースをつくっているところですが,①と③のデータ入力作業がだいたい終わりました。ここにて,両者の関連の一端をご覧に入れましょう。中抜けになりますが,後ほど②も加えた精緻な分析を行うための足がかりにしたいと思います。 読売新聞教育部『大学の実力2014』(中央公論新社)から,全国の大

    偏差値群別の学部の退学率分布
  • 都道府県別の大学収容力

    前回は,県別の大学進学率を出したのですが,同世代の2人に1人が進学という全国的状況とは裏腹に,大学進学率には甚だしい地域差があることを知りました。観察されたレインヂは,71.3%(東京)~33.9%(岩手)です。 このような地域差が生じるにあたっては,各県の所得水準の違いが大きいでしょうが,自県に大学がどれほどあるかも重要なファクターです。大学進学にはただでさえ莫大な費用がかかりますが,自宅から通える範囲に大学がない場合,下宿のコストも上乗せされます。二重負担です。 わが国では大学が都市部に偏在していますが,このことは,大学教育の供給量の著しい地域格差をもたらしています。今回は,この点を数値で可視化してみることにいたしましょう。 分析する地域単位は都道府県です。私は,各県の18歳人口に対し,自県内の大学入学枠がどれほど用意されているか,という指標を計算することにしました。研究者の間では,大

    都道府県別の大学収容力
  • 都道府県別の大学進学率

    現在では同世代の2人に1人が大学に進学しますが,大学進学率は,この2年間続けて下がっている模様です。2011年春が51.0%,2012年が50.8%,そして2013年が49.9%なり。 これは浪人込みの進学率ですが,浪人込みの率なんて出せるのか,という疑問もあるかと思いますので,当局の計算方法を説明いたしましょう。 大学進学率とは,同世代のうちどれほどが大学に進学したかという指標です。ベースは高卒者ではありません。文科省の『学校基調査』からこの値を計算する場合,当該年に大学に入った者の数を,推定18歳人口(3年前の中学校・中等教育学校前期課程卒業者)で除すことになります。 http://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/chousa01/kihon/1267995.htm 分子の大学入学者数には,より上の世代(いわゆる浪人生)も含まれますが,当該年の18歳人口から

    都道府県別の大学進学率
  • 学力が高いのはどっちか

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  • 学歴と犯罪

    昨年の2月29日の記事では,学歴別の刑務所入所率を計算したのですが,ここ2~3日ほど,この記事をみてくださる方が多いようです。日学歴社会といわれますが,学歴によって,刑務所入りする確率がどれほど異なるかは,世人の関心をひくところと思います。 むろん,この問題は興味位の次元にとどまらず,「社会階層と犯罪」という,犯罪社会学の重要テーマにも連なるものです。 今回は,分析をもう少し掘り下げてみたいと思います。先の記事では,全罪種をひっくるめた刑務所入所率を出したのですが,ここでは,入所率の学歴差を罪種ごとにみてみます。一口に犯罪といっても,コソ泥もあれば,よりシリアス度の高いものもあります。学歴による違いは,どういう罪種において大きいのでしょう。この点を吟味します。 法務省『矯正統計』の2010年版によると,同年中に刑務所に入った,男性の刑法犯新受刑者は16,497人だそうですが,その学歴

    学歴と犯罪
  • シューカツ洗脳?

    前期の授業の受講生(3年生)で,「今,シューカツがんばってます」というメールをくれた人がいます。そういえば,シーズンですね。都心では,黒いリクスーに身を包んだ青年男女が足繁く行き交っていることでしょう。 こうした「シューカツ」に,一定の教育効果を見出す見方もあります。大手の関連サイトをみると,「就職活動は自分を見つめ直し,社会人としての常識を身につけるよい機会です」などと書かれています。 確かにそういう面もあるでしょう。私が前に担当したゼミの学生さんで,3年生の終わりから卒業までの間に見違えるほど礼儀正しくなり,送ってくるメールの文面もガラリと変わった子がいました。「変わったね」というと,「シューカツで鍛えられましたから」という答え。ふうむ。 しかるに,ちょっとばかし大人しくなっちゃったな,という印象も持ちました。3年時のゼミでは,質問も含めていろいろと喰ってかかってくる子だったのですが,

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