2006年11月11日04:28 カテゴリ仕事書籍 「われわれ」と「ぼく」と「ニュータイプ」 『KINO vol.2 思考としての『ガンダム』』に寄稿した原稿です。 「われわれ」と「ぼく」と「ニュータイプ」 「われわれ」と「ぼく」 その時には意味がわからなくても、後になってその本当の意味がわかることになる。たとえば『機動戦士ガンダム』の何がリアルだったか、ということ。 『ガンダム』放送当時、かすかなひっかかりを感じたことを覚えている。それは主人公アムロが“同僚”であるホワイトベース・クルーの幾人かを「さん」付けで呼んでいたことだ。ささいなことに思う人もいるかもしれないが、「ロボットアニメの主人公」が仲間を「さんづけ」で呼ぶなんて、ずいぶんとよそよそしい感じがしたのだ。 それは、従来のロボットアニメと比べても微細な差ではあった(かに思えた)。それに『ガンダム』にはもっと特徴的な差がたくさんあ