掠れうる星たちの実験 掠れうる星たちの実験 作者:乗代雄介 国書刊行会 Amazon サリンジャーへの作家論である表題作を中心に新刊レビューと未発表作を交えた短編小説とで構成された割と変則的な一冊。この人の書評、わたしよく分かんねえな。でも文章の表面に目を滑らせているだけで気が落ち着くというか何かしらの満足感はあるので、やはり相性がいいんだと思う。今度はパロディやナンセンスから離れた短編集を読んでみたいな。 我が友、スミス 我が友、スミス (集英社文芸単行本) 作者:石田夏穂 集英社 Amazon 派手ではないものの安定した生活環境、精神状況。しかし何かが主人公である三十路のOLを連日の筋肉トレーニングへと向かわせる。出だしからコンテストの顛末まで、一貫して淡々としたリズムで綴られるが、その心の揺らぎはストレートな共感を呼ぶ。文体の表面をうっすらと覆うユーモアですら、リアルを生きる身には懐
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