タグ

2011年5月14日のブックマーク (5件)

  • Liberteens Reviews 2010/5-11

    『リバティーンズ』書評 2010/5-11 『リバティーンズ』2010/05 号 飯田泰之他『経済成長って何で必要なんだろう?』(光文社) 先日、朝日新聞がゼロ年代の五十冊を選ぶという企画を行ったが、そのセレクションに経済学系のがまったく入っていないことが、一部では話題となった。 それはある意味で、日の「知識人」と称される人々の中での優先順位を如実に示している。多くの知識人は経済=お金としか思っておらず、一方ではお金など卑しいとする文化貴族的な偏見、そして一方ではお金は資主義の道具と考える左翼的な偏見にとらわれている。そして各種経済活動の現場に対し、劣等感と嫉妬のないまぜな感情を抱いて、それをバカにしたり貶めたりすることに卑しい喜びを見いだしている人が多い。多くの知識人は、内心は気で士農工商という階級を信じていたりするのだ。 それは過去十年以上にわたる日の不景気継続の、一つの理由

  • Asahi News Paper Reviews 2011/4-6

  • Asahi News Paper Reviews 2011/4-6

    朝日新聞書評 2011/4-6 山形浩生 カーネマン(友野編)『ダニエル・カーネマン心理と経済を語る』(楽工社) 人間の心理は、時に奇妙なよじれを見せる。評者は十万円もらっても売らないを持っているが、それを盗まれても五万円で買い直すかわからない。売るのと買うので価値評価がちがうのだ。 同じものの価値が状況によって変わる――朝三暮四のサルを笑えない! これは従来の経済学では想定外の事態だ。カーネマンは、それを実証的に示し、行動経済学という新分野の先鞭をつけた。書は、そのカーネマンのノーベル経済学賞受賞講演と自伝、そして論文二編を収録し、業績を一望できる日独自編纂の一冊だ。 カーネマン自身の解説で、自分を実験台に各種知見を確認できるし、著者がその知見に到達するまでのエピソードも秀逸。初めて触れる人でも楽しく勉強できるはず。 訳はきれいだし、監訳者の解説もポイントを抑えていて有益。欲をいえ

  • Asahi News Paper Reviews 2011-

    朝日新聞書評 (2011-) なぜか突然、また朝日新聞の書評委員を務めることになってしまった。その他の書評委員は、斉藤カンとか柄谷行人とか。前は仲良くなれそうな委員が多かったけれど,今回はどうかなあ。 進み方は前と同じ。隔週で委員が集まって、編集部の人たちが選んだその期間のめぼしいの一覧を渡されるので、その中で自分の読んでみたい(そして書評してみたい)を、丸~三重丸をつけて選ぶのだ。もし自分として推薦しておきたいがあれば、事前に言っておけばそれが含まれることになる。で、バッティングしたら、丸の多い方が優先、丸の水準が同じなら、出席している人が優先、それでも決着しなければ、まあ大人ですから適当に譲り合ってきまる。そして気が向けば 400 字か 770 字で書く (紙面構成が変わったせいか、前より字数が減ったんだよね)。月に一くらいは最低書け、ということになっている。もし読んでつまらな

  • 関東大震災当時の失業調査と物価、雇用データ

    『明治以降 邦主要経済統計』(日銀行統計局)を利用して、関東大震災のときを中心にいくつかデータをみてみたい。あくまでもこのから拾ったものであり最近の研究や再推計などは対象外である。 まず関東大震災による国富への被害は、当時の単位で東京府が約37億円(商品<在庫含む>が約17億円、建物が11億円など)で筆頭であり、そのほかの地域を含めると約55億円になる。皇室財産の被害額抜かすと約52億円。 当時の国富総額が大正8年(1919年)調査の国富(皇室財産などを抜かす)と時価で約900億円だったので約6%の被害だったことがわかる。当時の国民所得は1923年の名目GNPが140億ほど、実質GNPが118億円ほど(大川推計)。 GDPデフレーターでみると1919年のいわゆる「大正バブル」の崩壊以後は以下のようになる。 1917年ー33年までのGDPデフレーター これをみると震災以降、翌年は震災復

    関東大震災当時の失業調査と物価、雇用データ