昨日に続き交易利得ネタ。 最近の円安に関して、交易利得への悪影響を懸念する声が時々聞かれる。では、為替レートはこれまでの交易利得にどの程度の影響を与えてきたのだろうか? まず、日銀の輸出入物価指数と円レートの推移を見てみよう。 このグラフは年度ベースの輸出入物価指数と円ドルレートを描画したものだが(後述する理由によって物価指数は2010年基準のものを2005年=100となるように変換している)、2009年以降の1ドル=100円を割り込む円高局面において、円ベースと契約通貨ベースで輸出入物価に乖離が生じたことが分かる。具体的には、輸出物価は契約通貨ベースが概ね横ばいで推移したのに対し、円ベースが円高の影響を受けて低下している。即ち、輸出企業は現地価格を維持し、為替差損をほぼそのまま引き受けたことが伺える。一方、輸入物価は円、契約通貨ベース共に上昇基調にあるが、円ベースの方が上昇が抑えられ、円