2014年に発売された、フランスの経済学者トマ・ピケティによる『21世紀の資本』。世界的に社会問題化する格差を論じたこの本は、世界で300万部のベストセラーとなり、日本でも大きな話題となりました。 その『21世紀の資本』が映画化され、3月20日に公開されました。日本語版で700ページ超、厚さ4センチの経済書は、果たしてどう映像化されたのでしょうか? 明治大学准教授でエコノミストの飯田泰之氏に『21世紀の資本』を解説していただきました。 ピケティが示した「r>g」とは? ――そもそもですが、『21世紀の資本』には何が書かれていたのでしょうか? 『21世紀の資本』はベストセラーとなりましたが、そこではマルクスの『資本論』のような壮大な理論が展開されているわけではありません。歴史データをしっかりと分析した本で、あそこまで売れたのが不思議なくらい。よく言えば玄人好みの、有り体にいえば地味な本なんで