眠っていても、実はよく眠れていない? 「疲労」とは、呼吸や心拍、血液循環、体温などをコントロールしている自律神経の中枢に負荷がかかることで、活性酸素が大量に発生し、脳の神経細胞がサビついて自律神経機能が低下している状態。そのサビがこびりついてとれなくなった状態が「老化」であると、第1回で解説した。 疲労が蓄積して老化につながってしまうと、元に戻すことはできない。そうなる前に、脳の神経細胞のサビを落とし、疲労を回復させることが重要になってくる。疲労医学の第一人者である東京疲労・睡眠クリニック院長の梶本修身さんは、「サビついた細胞を修復し、疲労を回復させるには『質の良い睡眠』をとることが不可欠です」と話す。「そもそも睡眠の目的は、体の疲れをとることではなく、疲労の根本的な原因となる『脳の疲れ』を回復させることにあります」(梶本さん) つまり「質の良い睡眠」とは、「脳の疲れをとる睡眠」ということ