年末年始はまとまって時間がとれる貴重な休みだ。何かとせわしくテレビもいろいろな番組を提供するが、じっくりと読書をするのもいい。おすすめは、『高橋是清自伝(上・下)』(中公文庫)と『随想録』(中公クラシックス)だ。 まず断っておくが、私は高橋是清と同姓であるが、縁戚関係はない。是清の研究はいろいろな人で行われており、その子孫に洋一という実在人物がいる。そこで、私は何回か是清研究者から照会を受けたことがある。 また、是清の大恐慌における経済政策は世界的にみても顕著であったので、海外でもよく研究されている。現在のFRB(連邦準備制度理事会)議長のバーナンキ氏もプリンストン大教授時代に是清の経済政策を高く評価していた。 私がプリンストン大にいたとき、バーナンキ氏はひょんなことから私が是清の親戚と誤解していた。もちろんその誤解は解いた。 いずれにしても、是清の自伝と随想録は面白い本だ。是清の