●Josh Hendrickson, “Liquidity Traps”(The Everyday Economist, May 9, 2011) 「流動性の罠」の唯一の有意義な定義は、「流動性の罠=人々が貨幣に対して飽くなき需要を抱くような状況」というものである。この定義にしたがうと、「流動性の罠」の下では人々はある特定の水準を超える貨幣残高をいくらであってもすすんで保有しようと臨むことになる。このような状況の下では、金融政策は必然的に無力となることだろう。 ここで例えば、中央銀行はFF金利(名目短期金利)をターゲットに据えて金融政策を運営しているものと考えることにしよう。この時もし(名目)短期金利がゼロ%の下限に達してしまうと、中央銀行はもはやこれ以上(名目)短期金利を引き下げることはできなくなってしまう。しかしながら、インフレーションを引き起こすことで実質金利を引き下げることは理論的