どこでもネットにつながる「IoT(Internet of Things)」。次の成長分野として注目を集めているIoTを農業に活用しようという取り組みが始まっている。例えば、インターネットイニシアティブ(IIJ)は静岡県などと共同で、水田における稲作の水管理にIoTを活用する実証実験を実施している。実用化を目指す泥だらけの現場を取材した。 労働時間の20%が水管理 稲作に関する一連の農作業のうち、田植え、収穫、防虫・除虫についてはトラクターやコンバインなどによる機械化が、40~50年前から進んできた。その一方で、機械化がまったく進まず取り残されてきたのが、水を管理する作業だ。 気温や水温に合わせて水深を調節したり、花や稲穂ができる時期は水を絶やさないようにしたりするなど、稲作では水田の細かな水管理が必要となる。そのために、農家は毎日1~2回は水田を回りながら目で状況を確認し、バルブを手で開閉