人生には幾つかの節目がある。サラリーマンの最後は65歳。定年後に待つ年金生活の始まりだ。しかし、70歳定年制や年金受給の開始年齢繰り下げが現実味を帯びる今、再就職を目指すシニアが増えている。過熱する雇用市場で、「勝ち組」「負け組」を分かつ“節目”とは。 *** 人生の節目に必要なもの。それは有益な情報である。本稿はそれをお届けするための企画だ。 定年まで働き、余生は年金暮らしで気ままに暮らす。多くの日本人が描いた夢物語が、破綻寸前なのは疑いようのない事実であろう。 少子高齢化で財源不足に喘(あえ)ぐ政府は、年金受給の開始年齢繰り下げを目論むが、働けるうちは働き、年金受給は遅ければ遅いほどいい――とはいえ、定年世代が再就職なんて出来るのか。 そんな人たちの疑問にお答えする前に、「年金受給年齢」の損得分岐点について、簡単におさらいしよう。 そもそも、現行の年金制度は、60歳から70歳までの間で