親ロシア派支配地域との最前線近くで警備するウクライナ兵(写真:Anadolu Agency via Getty Images) ロシアによるウクライナ侵攻の可能性が高まっている。情勢が緊迫化した背景、ロシアがウクライナにこだわる理由とはいかなるものなのか。AERA 2022年2月14日号で、現地で取材する朝日新聞記者が解説する。 【図版】緊迫化するウクライナ情勢 * * * 2014年2月、ウクライナでは当時の親ロシア政権に抗議する市民を治安部隊が銃撃し、100人超の死者が出た。責任を問われるのを恐れた大統領が逃亡し、親欧米路線の政権が誕生。これに反発したロシアが強行したのがクリミア半島併合だ。 ■止まった和平プロセス 直後にプーチン政権の支援を受ける親ロシア派勢力がウクライナ東部の一部を占拠し、ウクライナ軍と武力衝突が始まった。翌年2月、停戦合意が結ばれたが、ロシアの強い意向が働き、
5歳だった女児を鍋の中に長時間立たせ、全裸状態で扇風機の風を当て続けるなどして虐待したとして母親と交際相手の男が逮捕された事件で、母親が「私がしたことではないので共犯というのはおかしいと思う」と否認していることが9日、分かった。男は「間違いない」と容疑を認めている。 ■逮捕の母親「大丈夫」 娘の搬送後、周囲に 女児は昨年9月に病院に運ばれたが脳死状態となり、6歳だった今年1月に低酸素脳症で死亡した。 岡山県警によると、強要容疑で逮捕されたのは母親の無職、西田彩容疑者(34)=岡山市北区花尻=と交際相手の内装工、船橋誠二容疑者(38)=同市南区築港新町。船橋容疑者は虐待の際、「やっと楽しいミッションがやってきた」「今日も楽しい時間が始まる」と発言し、女児を夜から翌日未明まで5時間以上、鍋の中に立たせ続けたこともあったとみられる。
キュリオシティが岩石サンプルを採取した火星のゲール・クレーター。(NASA/CALTECH-JPL/MSSS) 地球以外の生命を探す科学者たちにとって、火星はますます目が離せない場所になっている。このたび、ゲール・クレーターで活動しているNASAの探査車「キュリオシティ」が、地球であれば生命の証拠とみなされる炭素を含む岩石を発見したという研究結果が発表された。 1月25日付けで学術誌「米国科学アカデミー紀要(PNAS)」に発表された論文によると、キュリオシティが複数の岩石サンプルを分析したところ、中に含まれていた炭素の同位体比が極端に偏っていたのだ。 同位体とは、同じ原子でも原子核に含まれる中性子の数が異なるものをさす。地球の生物は、代謝や光合成を行う際に、中性子数の少ない方、つまり軽い方の炭素を好んで利用する。そのため、軽い炭素の比率が重い炭素よりもはるかに高くなる。 ゲール・クレーター
欧州シンクロトロン放射光研究所(ESRF)の科学者ポール・タフォロー氏が参加する国際プロジェクト「ヒト臓器アトラス」は、階層的位相コントラスト断層撮影法(HiP-CT)を使って新型コロナウイルスによる死者の脳などの臓器をスキャンした。HiP-CTスキャンは、臓器の全体像からズームインして、関心のある領域の細胞まで見せてくれる。(PHOTOGRAPH BY LUCA LOCATELLI) 階層的位相コントラスト断層撮影法(HiP-CT)という強力なX線スキャン技術によって、人体の最も微細な毛細血管や、個別の細胞のレベルまで拡大した画像が撮影できるようになった。この新技術は、30人以上の科学者による国際チームが生み出した。 HiP-CTはすでに、新型コロナウイルスが血管や肺にどのような損傷を与えるかについて、新たな見方を提供している。研究者たちは、この撮影法に大きな可能性を見出しており、病気や
時々顔を出して世間を賑わす。叩かれると地下に潜伏する。そして、ほとぼりが冷めると顔を出す――。まさにもぐら叩きのようなインチキ医療。 多くの人は「なぜあんなインチキに騙されるのか……」と不思議に思うものだが、それでも「騙す医者」と「騙される患者」がいなくなることはない。一定の規模の市場が存在し続けてきた。 インチキ医療には大きく2種類ある。 医師免許を持たない者が、あたかも医学的な根拠があるかのようなことを言って、じつは根拠のない施術をしたり、高額なサプリメントや水などを勧めたりするもの。もう一つは、医師国家資格を持つ本物の医師が、医学的にコンセンサスの得られていない行為を患者に施すもの。 どちらも許されたものではないが、後者は患者の「医師」という資格に対する信用や信頼を利用しているだけに、なお一層悪質だ。 そうした悪徳医師から患者を守るため、“まともな医師”たちが立ち上がった。その名も「
ウクライナ情勢が緊迫化しヨーロッパで天然ガスの調達が滞るのを避けるため、日本政府は国内に必要なLNG=液化天然ガスを確保したうえで一部をヨーロッパ向けに融通する方針を固めました。アメリカのバイデン政権の要請を受けた異例の対応です。 ウクライナ情勢は緊張が続いていますが、ヨーロッパは電力などに必要な天然ガスの需要のおよそ4割をロシアからパイプラインを通じて供給を受けています。 しかし仮にロシアがウクライナに侵攻した場合、アメリカやヨーロッパはロシアに対して経済制裁に踏み切る可能性を示していて、ロシアが対抗措置としてヨーロッパ向けの天然ガスの供給を絞るのではないかという見方も出ています。 関係者によりますと、こうした情勢を踏まえ政府は日本のLNGの一部をヨーロッパ向けに融通する方針を固めました。 ヨーロッパのエネルギー確保のためにアメリカのバイデン政権が要請してきたものに応える、日本としては異
線路と道路が交差する場所、そこが踏切だ。鉄道に関する技術が進んで事故が減っているにもかかわらず、踏切が関わる鉄道の事故は今もニュースでたびたび報じられている。 普段何気なく通る踏切。どんな装置が付いている? 『令和3年版交通安全白書』によると、年間500件あまりある鉄道の運転事故のうち、約170件が踏切障害と呼ばれる事故で、踏切が関わる事故が3分の1を占める。特に踏切の事故の場合は、踏切を渡る一般の人々が被害者にも加害者にもなりうるのだが、踏切での事故を避けるにはどうすればよいのだろうか? ■止まる・見る・聞く 自動車運転免許の講習で、踏切を渡るときは「止まる・見る・聞く」と教えられたことはないだろうか。踏切の手前ではいったん止まる、左右を見て確認する、踏切の警報機が鳴っていないか、列車が接近していないかを聞くというものだ。 「止まる・見る・聞く」。これを確実にやるだけで、自分が踏切事故の
哲学者の内田樹さんの「AERA」巻頭エッセイ「eyes」をお届けします。時事問題に、倫理的視点からアプローチします。 * * * ある農業団体から講演の依頼があった。演題は「ポストコロナの農業」。私は農業にはまったくの門外漢であるが、農業関係の団体や媒体からよくお座敷がかかる。「農業の専門家が決して口にしないような話」をしてほしいというご依頼であろうから、ご期待に沿うべく、大風呂敷を広げて、人口減が農業に及ぼす影響について話してきた。 今から80年で日本の人口は60%減ると予測されている。均(なら)すと年間90万ペースでの人口減である。農村の過疎化が進むにつれて、限界集落に行政コストをかけるのは「金をどぶに捨てるようなものだ」という非情な言説が行き交うようになるだろう。里山は無住地化し、人々は地方の中核都市(コンパクトでスマートでデジタルな田園都市)に集住させられる。でも、人口減が止ま
広島県呉市議会の谷本誠一議員(65)らがマスク着用を拒否してAIRDO機から降機させられていたことが分かり、議会が本人の事情聴取などの対応へ動き出した。 谷本氏は、反ジャーナリストとして様々な著作を出している高橋清隆氏とともに、2人で行動したとSNSで明かしており、着用を強制するのは人権侵害で移動の自由に反する憲法違反だ、などと主張している。一体どんな状況だったのか、AIRDO側にも話を聞いた。 ■「マスク着用は、強制できないはずですよね」と主張 AIRDOの広報担当者にJ-CASTニュースが2022年2月8日に聞いたところでは、6日9時50分発の北海道・釧路発東京・羽田行きAIRDO機に、男性2人が乗ろうとしてトラブルが起きた。同社では、個人情報のため2人の名前を伝えられないとしているが、谷本氏のフェイスブックなどによると、この2人が自身と高橋氏とみられる。 2人ともマスクを着用していな
ウクライナ情勢が緊迫するなか、ヨーロッパで天然ガスが不足するのを避けるため、日本政府はアメリカ政府の要請に応える形でLNG=液化天然ガスの一部をヨーロッパ向けに融通する方針を固めました。 ウクライナ情勢が緊迫するなか、ロシアがウクライナに侵攻した場合、アメリカやヨーロッパの経済制裁に対抗するためロシアがヨーロッパ向けの天然ガスの供給を絞るという見方が出ています。 日本政府はヨーロッパで天然ガスが不足するのを避けるため、アメリカのバイデン政権の要請に応える形で国内に必要なLNGを確保したうえで一部を融通する方針を固めました。 きょう正式に発表する予定で今後、融通する量や時期などの検討を進めます。 LNGは、電力の需給がひっ迫する中で日本にも欠かせないエネルギーで、今回は極めて異例の対応となります。 (09日09:43)
「南シナ海は美しく静かな平和な海。アメリカ軍はゴミをポイ捨てしないでいただきたい」 中国が主張する「九段線」とF-35C墜落地点 中国共産党中央軍事委員会の機関紙「解放軍報」が出した声明です。これは南シナ海で2022年1月24日、アメリカ海軍空母「カール・ビンソン」の艦載機F-35Cが着艦に失敗し、パイロットを含む複数の負傷者を出し機体が海没した事故を受けたものでした。SNS上で拡散され、アメリカ海軍も本物と認めたこの事故の画像を見る限り、機体は大きな損傷なく沈んだようです。 中国が「ゴミ」というF-35Cは、「第5世代」と呼ばれる最新鋭の艦載型ステルス戦闘機で、現在のところアメリカ海軍のみが保有しています。F-35Cは単に直接戦闘任務をこなす最新鋭マルチロール戦闘機というだけでなく、アメリカが目指す新用兵思想である「マルチドメイン作戦」において重要な戦場デジタルネットワークを構成する統合
熊本市の慈恵病院が独自に取り組む「内密出産」について、市は、今後は病院と協力して母子支援の対応をする方針を固めた。やむなく内密出産を選ぶ母親がいる現実を受けて、両者は近く情報共有や話し合いの場を設け、内密出産で生まれた赤ちゃんの養育などの課題について検討を進める。 【図解】慈恵病院の内密出産の仕組み 市はこれまで「内密出産は法に触れる可能性がある」などとして、病院側に控えるよう求めてきた。一方、病院が、昨年12月に生まれた赤ちゃんについて、母親の名前を記さずに出生届を出す国内初の内密出産に踏み切る意向を今月4日に表明したことなどを踏まえ、子どもの権利擁護などの観点から従来の方針を転換した。 複数の関係者によると、市は内密出産を選択せざるを得ない女性がいる現状を重視。現行法の枠組みの中で現実的な対応を探る必要があると判断した。内密出産には法的な課題があるが、母子の命に関わる孤立出産を防ぎ安全
内閣官房は8日、経済安全保障法制準備室長を務める藤井敏彦国家安全保障局担当内閣審議官が同日付で経済産業省に出向する人事を発表した。同局は「処分につながる可能性のある行為を把握した」と説明しており、事実上の更迭とみられる。藤井氏は、岸田政権が目玉政策に位置付ける経済安保推進法案の準備作業で中核を担っていた。 経済安保法案提出へ 「待ったなしの課題」首相は法案の準備を加速するよう指示 後任には財務省出身の泉恒有内閣審議官が就く。政府は同法案の国会提出に向け、今月下旬に閣議決定する方針で作業を進めている。 政府関係者によると、藤井氏はタクシーチケットの利用方法や記者との関係などについて週刊誌の取材を受けていた。
熊本県産として販売されているアサリの大半に外国産が混入している問題で、熊本県は、産地偽装の疑いがあるアサリの8割程度が、同県を経由せずに流通している可能性があることを明らかにした。農林水産省と同県は連携し、流通ルートをさかのぼって実態解明を急ぐ方針だ。 【図解】輸入アサリの流れ 農水省の調査では、2021年10月~12月の3カ月間で、全国の小売店で熊本県産として販売されたアサリの推計量は2485トンに上り、その97%に外国産混入の可能性が高いことが判明した。20年の熊本県内の年間漁獲量は21トンと、流通量との開きが大きい。 同県などによると、中国や韓国から輸入された生鮮アサリの約8割は、港がある山口県下関市に保管された後、熊本の海を経由せずに、熊本県産として市場に出回っている可能性がある。残りの2割程度は、県内の養殖場で一定期間育てる「蓄養」を行った後、仲介業者などを通して市場に流れている
選挙権や成人年齢の18歳への引き下げを踏まえ、高校では2022年度から、主権者教育を担う「公共」が新必修科目になる。社会課題と向き合う教育を目指すが、すでに「働き方」を、より実践的に教えている先生がいる。灘高校(神戸市東灘区)の片田孫朝日(かただそんあさひ)教諭(45)。子育てや身内の過労死など自身の経験にも触れつつ、豊かな生活について生徒に考えさせている。(小谷千穂) 片田教諭は、灘高で現代社会を担当。長時間労働や男女格差など、教科書の枠を超えたテーマを取り上げている。灘高に来る前は、京都大大学院で社会学を研究しながら非常勤講師をしていた。 男子校で、国内トップクラスの進学校の灘高。将来、政治家や官僚、医者などハードに働く生徒も多く、片田教諭は「働きだす前にこそ、労働について客観的に考えることに意味はある」と考えている。 授業のポイントは「身近な教師を題材にする」。まだ若い生徒たちは、労
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