米ニューヨークのメモリアル・スローン・ケタリングがんセンターでみられる標準的な血液サンプル。リキッドバイオプシーにより、患者のがんやその治療法に関する貴重な情報を明らかにすることができる。(PHOTOGRAPH BY STEPHAN ELLERINGMANN, LAIF/REDUX) がんの検査では普通、患部の組織を切り取って調べる「生検」が行われる。だが、生検は体に負担がかかり、医療費も高額で、結果が出るまで4週間ほどかかることもある。患者が進行性のがんにかかっている場合は、特に問題だ。 そこでこの20年間、科学者たちは血液などの体液を使ってがんを調べる「リキッドバイオプシー(液体生検)」の開発に取り組んできた。血液なら簡単に、かつ何度も採取できる。標準的には、腕から7.5~10ミリリットルの「末梢血(血管を流れる普通の血液)」を採取して、1週間ほどで検査結果が得られるため、治療のスケジ
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