23人は、紙1枚の「処分事由書」を手渡され、理事会で1人ずつ弁明の機会が与えられた。 「平成21年11月場所9日目の春日錦、11日目の千代白鵬との取組において、故意による無気力相撲を行った」 千代白鵬の告白で関与を疑われた霧の若の事由書には、こう記されていた。理事会では、放駒理事長から「霧の若だね。4月5日までに引退届を出してください」と言い渡された。「はい」と返事をすると、「もういいから」。 こうして、事実上の角界追放を言い渡された力士らは、怒りや落胆の表情に満ちあふれた。 猛虎浪は「やっていない。協会の言うことは全くわからない」。徳瀬川は「(処分は)受け入れられない。でもその場合、どうすればいいのか」と途方にくれ、谷川親方(元小結海鵬)は「納得いかない。訴える」とまくし立てた。 霧の若も、事由書が入った茶封筒を握りしめながら「通帳も携帯も出し、呼び出しにも応じた。これは協力し