水やコーヒーなどの私たちの身近にありふれた「流体」。これらの身近な物質の「流れ」を、現代物理学が到達した極微の視点から眺めるとどのように理解できるのでしょうか。ここでは、幾何学の言葉で「流れ」を理解するという研究について紹介します。 マクロな「流れ」とミクロな「量子」のギャップ 私たちの身近にある物質は、一見するとツルツルした表面を持つように見え、連続的な構造を持っているように感じられます。このような「連続的な記述」を用いる物理理論の最たる例が「流れ」を取り扱う流体力学です。流体力学はコップの中のコーヒーの流れや、航空機の周囲に生じる空気の流れなどの振る舞いを精密に記述します。 しかし、20世紀に入ってから現代物理学が進展することで、どのような物質も小さな要素に分解していくと、原子や分子といった不連続な「ツブツブ」でできていることがわかりました。そして、さらに小さな(ミクロな)要素に分解し
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