ブックマーク / academist-cf.com (6)

  • マクロな「流れ」とミクロな「量子」の関係 – 曲がった空間の幾何学を用いて「流れ」を理解する

    水やコーヒーなどの私たちの身近にありふれた「流体」。これらの身近な物質の「流れ」を、現代物理学が到達した極微の視点から眺めるとどのように理解できるのでしょうか。ここでは、幾何学の言葉で「流れ」を理解するという研究について紹介します。 マクロな「流れ」とミクロな「量子」のギャップ 私たちの身近にある物質は、一見するとツルツルした表面を持つように見え、連続的な構造を持っているように感じられます。このような「連続的な記述」を用いる物理理論の最たる例が「流れ」を取り扱う流体力学です。流体力学はコップの中のコーヒーの流れや、航空機の周囲に生じる空気の流れなどの振る舞いを精密に記述します。 しかし、20世紀に入ってから現代物理学が進展することで、どのような物質も小さな要素に分解していくと、原子や分子といった不連続な「ツブツブ」でできていることがわかりました。そして、さらに小さな(ミクロな)要素に分解し

    マクロな「流れ」とミクロな「量子」の関係 – 曲がった空間の幾何学を用いて「流れ」を理解する
  • 阪大・橋本幸士教授、超弦理論を語る。 – 世界を記述する数式はなぜ美しいのか

    理論物理学者として数々の実績を残す傍ら、著書「超ひも理論をパパに習ってみた」や「超弦理論知覚化プロジェクト」、「TED×OsakaUでの講演」など、さまざまなアウトリーチ活動も手がけている大阪大学・橋幸士教授。大学時代まで「物理学者という仕事があることを知らなかった」という橋教授は、なぜ物理学を志し、超弦理論の分野を選んだのだろうか。超弦理論の基的なアイデアやその歴史を振りかえりながら、橋教授の研究者像に迫る。 ーー超弦理論の研究者と聞くと、幼いころから物理学のを読んでいたイメージがあるのですが、実際はどうだったのでしょうか。 小学生のころから物理学者に憧れていたというようなことは、実はまったくないんですよね。そもそも物理学者という仕事があることすら知りませんでしたから(笑)。子どものころは、物のカタチのように、もっと具体的なことに興味を持っていました。 ーー物のカタチですか……

    阪大・橋本幸士教授、超弦理論を語る。 – 世界を記述する数式はなぜ美しいのか
  • 植物は葉緑体に貯えた「たくさんのDNA」を自己分解してリン栄養を得る – 細胞内共生から生じた生存戦略

    植物のDNAとリン栄養の関係 植物は葉緑体で行われる光合成によって大気中の二酸化炭素から有機物を作りますが、窒素(N)やリン(P)、カリウム(K)などの養分は、ヒトや動物のように外部から吸収して利用します。N、P、Kは植物の三大栄養素として肥料にも使われています。 リン(有機リン)は細胞内でリン酸として利用されており、リン酸を最も多く含む物質はDNAやRNAなどの核酸です。DNAは親からの遺伝情報を受け継ぐ生命の維持に必須の遺伝物質ですが、ヌクレオチドとしてリン酸を多く含むことから、DNAを分解して再利用すれば栄養素としても有効だと考えられます。たとえば、DNAの断片化は細胞死の指標とされますが、分解されることの生理的意義や、リン栄養との関連についてはよくわかっていませんでした。 最近筆者らは、植物の葉緑体に着目したところ、DNAが分解されてリンの再利用に役立っているという現象を明らかにし

    植物は葉緑体に貯えた「たくさんのDNA」を自己分解してリン栄養を得る – 細胞内共生から生じた生存戦略
  • トップクォーク対とヒッグス粒子の同時生成を初観測!

    2012年に、素粒子の質量の起源と深いかかわりのあるヒッグス粒子が発見されました。欧州原子核研究機関(CERN)に建設された大型ハドロン衝突型加速器(LHC)を使った2つの実験グループ、ATLASとCMSが同時に新粒子を発見し、それに続くさらなる研究でその新粒子がヒッグス粒子だとわかりました。 2018年の6月に、CERNでは、トップクォーク対とヒッグス粒子が同時に生成されている事象の初観測に成功したとプレス発表しました。それを受け、日国内からATLAS実験に参画する研究グループであるATLAS日グループもプレスリリースを行いました。稿では、プレスリリースの内容と、その背景や物理的意義、今後の実験計画などについて解説します。 ヒッグス機構:ヒッグス粒子と素粒子の相互作用で質量が生成 素粒子物理学の標準模型と呼ばれる理論的枠組みでは、すべての素粒子はもともと質量を持っていなくて、ヒッグ

    トップクォーク対とヒッグス粒子の同時生成を初観測!
  • X線回折データを用いて分子軌道を直接観測! – 40年以上ものミステリー“構造変化なき転移”に挑む

    TMTTF分子の分子軌道分布 昨今、機能性物質における分子性結晶の躍進は目覚ましく、有機ELディスプレイなど多くの分子性物質による実用的な製品開発が行われています。分子設計によって無限の材料開発が可能であることから、これからの「ものづくり」を支える一大分野です。X線回折は結晶中の電子による散乱現象を用いるため、電子の数から原子を決定し、その配置を決定することが可能であることから、材料開発には欠かせません。一方で、これらの分子性結晶の機能は、分子軌道と呼ばれる空間的な電子の分布によって説明されることが化学の世界では常識となっていますが、今までは量子化学計算という方法で推定するしかありませんでした。 今回私たちは、大型放射光施設SPring-8で得られる高強度かつ、高品質なX線回折データを用いることで、原子配置だけでなく、その原子の持つ電子の空間分布の可視化から分子軌道の直接観測に成功しました

    X線回折データを用いて分子軌道を直接観測! – 40年以上ものミステリー“構造変化なき転移”に挑む
  • 東京スカイツリー®上空458mに浮遊する微生物を探れ!

    初の学術系クラウドファンディングサイトです。研究アイデアを公開することで、研究費、人材、情報が集まり、研究を加速できるプラットフォームを目指します。

    東京スカイツリー®上空458mに浮遊する微生物を探れ!
    prototechno
    prototechno 2017/05/16
    ミクロトームと呼ばれるその技術では、細かいナイフで標本を切り、数ミクロンの薄い切片を得ることができます。それらの切片を顕微鏡で観察すると、標本の中身の構造を知ることができる
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