彼の事を知らない人もいるだろうから簡単に説明すると、山田さんはいわゆる一発屋芸人というやつである。 髭男爵というコンビ名で貴族のような出で立ちをしたヒゲ男が「ルネッサーンス」の登場挨拶と共に乾杯を連続する芸風をみたことがある人もいるだろう。 この本はそんな彼の人生を辿っていくものだが、彼の人生はその明るい芸風とは逆に波乱に満ちたものとなっている。 彼はある事件をキッカケにヒキコモリ生活へと突入するのだが、ヒキコモリ生活に突入した後に彼が放った一言が実に重い。 「人生、余っちゃったなぁ」 成功しても人生は仕上がらない 現代社会は若くして成功した人が実によくスポットライトを当てられる。 僕は若い頃、彼・彼女らをみてよくこう思った。 「いいなぁ、若くして人生が仕上がって」 「きっとこれから夢のように楽な日々が続くのだろうな」 「はぁ…僕もサッサと人生というゲームをクリアして、楽になりたい」 しか