FCC(米連邦通信委員会)は16日、オバマ政権の通信政策の基本方針となる「全米ブロードバンド計画」を発表した。これは今後10年に、1億世帯に100Mbps級の通信サービスを提供することを目標とする野心的な計画である。アメリカ政府はインフラ整備計画の重点として、老朽化した電力網の更新と立ち後れたブロードバンドの整備をあげているが、今回の計画はその具体化である。 本文は340ページもある膨大なものだが、エグゼクティブ・サマリーだけでも読む価値がある。注目されるのは、従来の通信会社のインフラを他社に利用させるUNE(アンバンドリング)規制が姿を消し、光ファイバーについての言及もほとんどないことだ。これは通信会社との法廷闘争でFCCが完敗し、UNE規制が不可能になったことを受けての方針転換だろう。 それに代わってブロードバンドの主役に位置づけられたのが、電波の開放である。特に10年以内に500MH