ここでいう初心者とは、本サイトをごらんになるほど読書好きなのに、なぜかキング作品にふれたことのない方や、そびえるキング山脈を見あげてボリュームに圧倒され、手を伸ばさずにいた幸運な方々のことです。そんな方々にキング作品を薦めるのは、ある意味でとびきりの毒を処方するようなもの。ですからここでは、初心者のあなたにあえておすすめしないキング作品を三作品だけ選びました。 たとえば『ミザリー』。キャシー・ベイツ主演の映画で物語のアウトラインはご存じでしょうし、キング作品のなかでは手ごろな一冊本なので、うっかり手にとる方がいるかもしれません。熱狂的ファンの中年女性の手で冬山の一軒家に幽閉され、新作執筆を迫られた作家が体験する想像を絶する体験も、映画館やテレビで映像を見ているだけなら、作家の苦しみや痛みに同情しつつ鑑賞しているだけです。あのとびきり「痛い」シーンで一瞬びくんと飛びあがっても、すぐ映画館の座
![初心者のためのスティーヴン・キング(執筆者・白石朗) - 翻訳ミステリー大賞シンジケート](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/9f3c4da1ce5c18257b76513d0b75dff0313f46b1/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fimages-fe.ssl-images-amazon.com%2Fimages%2FI%2F51GGMf6cLlL._SL160_.jpg)