森見登美彦氏は、どっこい生きている。 登美彦氏はつい先日まで、ふいに息が苦しくなることがあった。 心臓がへんな動きをすることもあった。 登美彦氏の身体に問題はないようである。 しかしそう言われても、怖いものは怖い。 怖い怖いと思いながら我慢しているうちに、 息が苦しくなったり、心臓が止まりそうになったりすることは減ってきた。 しんどくて目が覚めることもなくなってきた。 けれども、まだ頭がぐらぐらしたり、身体が痛かったりする。 それらを登美彦氏はお薬と運動でごまかしている。 登美彦氏は毎日が日曜日である。 なぜ毎日が日曜日であるかというと、小説の書き方が分からなくなったからである。 もともと大して分かっていたわけではないが、いよいよ本格的に分からなくなった。 「うーむ」 登美彦氏は机の前で腕組みをする。 ちょこちょこと書いてみるが、すぐ投げ出してしまう。 まるで「小説」を書いてるような気がす