ブログ パスワード認証 閲覧するには管理人が設定した パスワードの入力が必要です。 管理人からのメッセージ 閲覧パスワード Copyright © since 1999 FC2 inc. All Rights Reserved.
このゲームを手に取ったのは、『Never7』(KID)に対して「嫌いではないけれどどうにも納得できない」という印象を抱いたことに対して、ある方から『水月』ならおもしろいと感じられるかもしれませんよと勧められたことがきっかけでした。 ところで私は「“水月”なんて、ずいぶん風流な言葉を使ったものだな」と思ったのですが、「鏡花水月」といった慣用句だけでなく、実際に「水月」という単語が存在していたことを、ついさきほど『広辞苑』で偶然知りました。うーん、無知って怖い…。 主人公・瀬能透矢(変更可能)は、気がつくと病院のベッドに寝ていた。しかも、自分が誰だか、そして周りの人々が誰なのかという記憶のいっさいを失った状態で。おまけに、在野の自称民俗学者である父親は意識が戻らないというのだ。手がかりは、毎夜見る謎の夢。ところがこの夢を、長く美しい黒髪を持った、不思議な雰囲気の少女もともに見ているという。主人
☆水月(F&C)〜迷心(まよいごころ)〜{PS2} 水月(すいげつ)・・・それは水面(みなも)に映る月。 月でもなく、水でもないもの。 夢と現(うつつ)をたゆたうように、不安定な月は水に眠る・・・。 美しいビジュアルと重厚な世界観で人気となったF&Cの野心作、それがこの『水月』です。「山の民」「マヨイガ」など、この作品にしか登場しない専門用語や数々の謎も話題になりました。またこの作品は、複雑なストーリーをどれだけ理解できているかによって、大きく評価が異なる希有な作品でもあります。那波シナリオにおいてヒロイン・那波が口にする『並列世界』と呼ばれるものがこの「水月世界」を構成する中核であり、この存在についてある程度認識できていないと、評価が厳しく、「わけわかんない話」で終わってしまいます。物語は主人公・瀬能透矢の語りで進むのですが、実はこの主人公が曲者(くせもの)で(笑)、同じ時間軸で展開する
主人公が恐る恐る箱を空けて覗きこむと、中では猫が「にゃ〜」と鳴いている。「水月初回版」に同梱されていた落描き集に、そんな絵があった。おそらくこの絵は、「シュレーディンガーの猫」という量子力学の有名な問題をモチーフにしたものだろう。 「シュレーディンガーの猫」とは・・・ 密閉された箱の中に、「猫」と「いつ作動するか判らない毒ガス噴射装置」を入れておく。もちろん箱を開けるまで、中を覗く事は出来ない。当然の事ながら、時間が経てば経つほど猫が死んでしまう可能性は高くなる。さて、実験開始から一定の時間放置した後、中の猫は生きているか?それとも死んでいるか? 答え―――猫は生きている状態から死んでいる状態まで、あらゆる可能性が、“重なり合った”状態にあり、箱を開けて観測者が観測した時点で、はじめて状態が確定される ・・・(゚Д゚)ハァ? いや、シュレーディンガーの方程式で計算すると、そういう
憑物落とし「水月」 〜物語の解体と再構築 ネタバレです。未プレイの方は読まないでください。 まず最初に端折って書くと、この「水月」というゲームは、魔法・怪・マヨイガといった、「ないけど、あるもの」と、現実という「あるけど、ないもの」を、それぞれ逆方向から同じ価値感で捉えている。「『魔法』というある筈の無いものが、人の認識する世界では確かに存在しているんだ」という事を描いたのが双子シナリオ。「『現実』という、人の認識する世界では当たり前に存在しているものが、実はとんでもなく不確かな物なんだ」という事を描いたのが那波・雪シナリオ。その二つのベクトルを狭間で受け止めているのが花梨・和泉シナリオといったところか。まぁ本当の所、各シナリオは、ここまで綺麗に役割分担をしているわけではない。特に魔法・怪といった概念は、那波・雪シナリオにおいても重要な役割を担っている。ただまぁ、大雑把に分けて捉えて
これから論述する内容はF&C「水月」をオールクリアしたことを前提として展開する。 以下の内容を理解するためには相応の内容に関する知識を要求するので注意。 ・前提 「水月」を考察する上で、まずいくつかの前提的な概念について説明する。 例えば、完全な暗闇があるとする。 そしてそこにAいう人間とBという人間がいるとする。 さて、AはBがそこにいることを確かめるために、どうすれば良いか? 答えは「呼ぶ」。 AがBの名を呼び、Bの存在を確かめるのだ。 Bが返事を返し、初めてBはそこに存在することが確定される。 翻って、これを全ての存在に置き換える。 AがBを呼び、BがAに返事を返す。またはその逆。 それによってAにとってのB、BにとってのAの存在が確定するように、この世界にある全ての物体は周囲を認識し、周囲に認識されるために存在の主張をしている。 この情報のやりとりが成立する
新世界への挑戦 いやあ! やはり☆画野朗兄貴の絵は格別ですな! というか私もマヨイガに連れてってくれ! ということで、今回の御題は名作水月です。おすすめ度は8としていますが、個人的には10以上。如何せんシナリオのクセが強いためなのですが、その辺りは後述します。 F&Cと言えば萌えキャラを全面に押し出したまさに萌えゲー主体のメーカーです。一 にも二にも萌え勝負。これが私のF&Cに対するイメージであったし、またその柔らか く軽めなシナリオの中での甘い恋愛ストーリーが同時にF&Cの魅力でもあると思って います。 が、しかし。本作「水月」はそれらF&Cのイメージを大きく覆す一本となりました。F &Cには珍しくボイスが無く、おまけにビジュアルノベル形式。この形をとって しまったからにはいつもの軽く甘い恋愛ストーリーの展開ではユーザーを満足させるこ とは出来ません。奇しくも原画には萌え絵においては絶大
夢のように描かれた甘い夢を幾重にも織り重ね、気品ある味わいと丹念な構造を実現した"ミルフィーユケーキ"を、フォークで縦に切り取るのではなく一層ずつ舐め取るように食べていく、ちょっとしまりのない観念。 「水月」という作品を一言で言い表そうとするなら、こうなるんじゃないかと僕は思いました。 夢は夢でしかないように、その美しさは天性のままに美しく、そのかわいらしさはあるがままにかわいらしい。汗や尿、精液ですらうっすらと甘い香りを漂わせるなか、いかにも思索的なテクストは僕の人生観にいっさい影響を及ぼしません。 まったく手触りのしない、形の見えない、現実から遊離しているまさに夢でしかありえない物語。主人公の自意識によってのみ動き出し、センチメンタルに揺らいでゆくこのやさしい世界を、少なくとも"夢を見ているわけではない"僕は、果たして評価する術を持っているのか、心許ないことこの上ありません。 僕
ネタバレです。 夢の中の僕は、消えゆくまぎわに、いつもこんな気持ちを味わっていたのかもしれない。 僕を夢から覚ますために、あの少女を射抜き、消えていかなければならない運命を呪って。 だから、僕に夢をつないだ。 牧野さんへの想いを。 彼女がこの町を訪れたことも、僕らが友達になれたことも、僕が、彼女に気に入られ、彼女に強く引きつけられたのも、 すべての夢が、未来へつながっているからなのかもしれない。 雪さんシナリオのテキストなんですが、水月のシナリオって全てがつながっているのだと思います。 透矢「現実を月とするなら、夢は水月っていうところかな?」 那波「…わたくしは、逆だと思いますわ」 透矢「え?」 那波「現実こそ、不確かな海面そのもの…夢はそこに映った確かな可能性」 月っていう、確かに存在する、だけど手の届かない場所。 不確かな僕たちの世界では、それが幾重にも重なり、揺れ動く、水月になってし
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く