クリックして拡大する 10代男性からの心臓移植手術が行われる予定の大阪大病院=2010年8月、大阪府吹田市で共同通信社ヘリから 昨年7月の改正臓器移植法の全面施行から約9カ月。初めて15歳未満の子供の脳死判定が実施された。今回提供される見通しの臓器のうち、未成年の患者に移植される予定となっているのは「原則18歳未満の提供は18歳未満へ」と定められた心臓のみ。その他は国で定めた基準に基づき成人に提供される予定になっている。しかし、従来、海外渡航でしか命が救われなかった子供たちに一筋の光が差したことは確かだ。 ただ、小児の臓器提供が定着するためには数多くの課題も抱えている。 幼いわが子が「回復の見込みがない脳死状態である」と診断された親の悲嘆は想像にあまりある。 親が子供の脳死判定を承諾することは、一般的な心臓死より前に子供の“死”を判断することでもある。改正法施行以降、大人の脳死判定が9カ月