上空180キロというこれまでにない低い高度を回る新型の観測衛星の開発に、宇宙航空研究 開発機構(立川敬二理事長)が乗り出すことが27日わかった。超低高度なら、高倍率のカメラを 搭載しなくても、地表や気象の観測が可能になり、大幅なコスト削減につながる。宇宙機構は 既に特別チームを設置、3年後の打ち上げをめざしている。 新衛星は、太陽電池を側面にはりつけた形で、長さ約3メートル、重さ400〜600キロの 小型。衛星は通常、高度500〜1000キロを回り、推力は持たないのが一般的。ロケットで 打ち上げた勢いで、慣性飛行を続ける。 高度180キロでは、わずかな大気の抵抗があり、普通の衛星だと推力を失い、2〜3日で 地球の大気圏(高度約100キロ内)に突入する。新衛星はこの課題に対し通常のロケット エンジンの10倍の性能を持つ「イオンエンジン」を搭載して高度を維持し、3年以上も周回 できるという