ただ、えみるのこともあり、次女のふみねにはこれ以上何かを背負わせたくない。だから、僕と妻が死んだあと、ふみねがこころとしっかり生きていけるようにしてやらないといけないと思っていました。たとえば僕が店を開いて、2人に技術をしっかり教えてあげれば生きていけるかな、と考えたりね。 不安があったからこそ、毎日考えるわけです。気がつくと、事故の日以来、初めて真剣に未来のことを考えていた。えみるの死後、一時は「人生どうでもいいや」と思っていた自分が、「人生どうにかしなきゃ」という思いになっていました。きっとうつむいてばかりいた僕たちに、天国のえみるが「前を向いて」と背中を押すためにこころを授けてくれたと思うんです。いつのまにか家族全員が、未来に向かって歩いていました。 ダウン症のお子さんを持つ親御さんにも会いましたが、「障害ではなく個性」と口をそろえ、みなさん明るく強く育てていらっしゃった。「僕たちも