カーラル帝国の圧政に苦しむ、宇宙の片隅にある惑星ハルパクス。そこに集められた奴隷である一人の男が病に侵されていた。「惑星適応障害」というその病の治療には遠き故郷の星に帰らなくてはいけない。彼の娘もまた奴隷であり、父の病に為す術のない無力に打ちひしがれ、途方に暮れる。 その時、カエルにも似た奇妙な姿のヒューマノイドゲーニーが現れ「自分は50年後の未来から来た。銀河戦争が起こり、5000を超える惑星がカーラル帝国の手により消滅する。その戦争と、カーラル帝国の圧政を食い止めるためにこの時代に来た。君の手を貸してほしい」 なぜ自分なのか、自分に何ができるのか。何もかもがわからないイリーナだったが、父の病は刻々と進行している……迷う時間もなければ他に手もない。彼女はゲーニーの緑色の手を取った。 カーラル帝国の軍隊で溢れた宇宙に飛び出し、彼らを打倒しながら遠い故郷の星を目指す旅がいま始まったのだ。 ◆