A「えーと。いまさら説明するまでもないと思いますが、図書館の自由に関する宣言の簡単な説明をします。 えー……戦前に思想善導機関として機能した図書館の歴史を反省し、……」 野村「うーん。Aちゃんさあ。図書館じゃ余りに平凡じゃない?」 A「はい?」 野村「クリスタリウムでどう?」 鳥山「ですね」 野村「それと思想善導機関だけど、僕の解釈だとあれは思想じゃないんだよね」 A「は?」 野村「あれは『幻想』なんだよね。自分の幻想」 鳥山「『幻想に浸りし者』ね」 野村「それと僕の解釈では、あれは自由じゃなくて『不可視の束縛』って呼びたいな。それとね……」 一時間後 クリスタリウムの不可視の束縛《ゴッドブレス・チェインフロウ》に関する宣言(抄) 図書館は、基本的人権のひとつとして知る創造神話をもつヴァ=ルコダンガ・ファスムに、資料と施設を継承することを、もっとも『終末の予言』を回避するために重要な任務と