この間、三輪舎・代表の中岡祐介さんと大船にできたばかりの新刊書店・ポルベニールブックストアで対談させていただいた。 三輪舎は『本を贈る」という本を出版している。それは、本に関わるひとたち、編集者、装丁家、詩人、印刷屋、校正者、書店員など10人が寄稿するもの。いい本だ。ともすると、こういう本は、いろんな人のお仕事を紹介するようなビジネスチックな本か、なんだかゴチャゴチャした本になってしまいそうなのに、この本はちゃんと10人の文章が響き合っている。文学として成立している。そして、本としての佇まいもいい。装丁家・矢萩多聞さんの、一見すると、まったく何がなんだかわらかない装画も何かを訴えてくる感じがある。 そう、本というのは著者だけでできるものではない。七転八倒して原稿ができたあとは、色々な人にバトンをわたし、最後の最後にようやく読者のもとに届く。それは、まるでリレーのようだ。 だから、中岡さんは