高校生のころ読もうと思って機会を逸したままだった本で、それから三〇年して読むという感じだ。話はノーベル賞作家川端康成の自殺を追ったフィクションだが、かなりの部分は事実ではあるのだろう。内容の紹介がてら帯を引用するが、あまり釣りの文言とは言えない。 72歳で自ら命を絶ったノーベル賞作家の、死の前の半年間を描いて、一生涯抱きつづけていた哀しみの根源をたどり、その人と文学に新しい光をあてた力作中編小説。 当初雑誌「展望」(一九七七年五月号)に掲載されすぐ単行本として出版(三〇日付け)されたものの、川端家から販売差止めの民事訴訟を受け、絶版となった。臼井が謝罪し、八月一六日、和解が成立した。 日本文学史研究の上でも貴重な資料ではあるが、「エーゲ海に捧ぐ」(参照)などと同じく、当時ベストセラーとなったこともあり、現代でも古書の入手はたやすく、価格も千円程度である。ネットの古書店でも簡単に見つかるので
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