京都、北白川。かつては志賀越道の街道集落として栄え、比叡山などの山々や、歴史的な寺社に囲まれたこの地に、ヤマダベーカリーはあります。はじまりは昭和二十二年。当時まだめずらしかったフランスパンをメインに、食べる人の顔を思い浮かべながらいくつものパンをつくりつづけてきました。 残さずに、最後までおいしく食べてもらう。パンづくりにかけるこの思いは、創業から今も変わらず大切にしていることです。たとえば、食パン。水分を飛ばしすぎずに高温で一気に焼き上げると、ぷっくりふんわり食感の、あっさりとした味わいに。そして、なめらかな口どけ。飲みものなんてなくても、するりと食べれてしまいます。 パンの味、仕上がりに合わせていろんな製法、配合、焼き加減を組み合わせ、職人たちの手から生まれてくる一日約百種ものパン。そのひとつひとつに、最後までおいしいストーリーを用意しました。時には主役、時には名脇役として、パンのあ