オーカーン 最初は「名乗るほどの者じゃない」と言ったんだがな。人生で一度は言ってみたい言葉をようやく使う機会に恵まれたわ(笑)。実際、名乗るほどのことをしたとも思ってないのじゃ。それに余はプロレスラーだから、リングの外で起きたことで名前が広まっても違うと思ったのは事実だ。だが、事情聴取を担当してくれた警察官がどうしてもと言うのでな。 ――夜遅い事件でしたが、警察の事情聴取も当日にあったのですか。 オーカーン むしろ余が本当に頑張ったのはそこからだな。警察の事情聴取に最初から最後まで、めちゃくちゃ協力したのだ。事件は夜の9時頃だったが、事情聴取はそこから5時間近く続いたのだ。間違いがあっては困るから丁寧に聞くということで、警察官も眠い顔ひとつ見せずに働いていたからな。余もとことん付き合ってやろうと思ったのだ。 ――夜の9時から5時間だと、深夜2時まで……。途中で疲れてしまいそうです。 オーカ