この結果を、内容を、心底悔しがっている自分がいる。7年前、ドルトムントで完敗した時は「やっぱりか」としか思えなかった人間が、敵地での負けに強烈な怒りを覚えるようになっている。わたしの中の「ブラジル」という存在に対する意識が、確実に変わっていたことに気づかされる。 すべては、ザッケローニ監督が就任してからの日本が強くなったからだった。魅力的なサッカーを見せてくれたから、だった。 だが、そろそろ限界が近づいてきたようだ。監督が変わるか、監督を変えるか。選手が変わるか、選手を変えるか。いずれかの変化を持ち込まない限り、W杯で勝つ日本代表を望むことは難しい。そのことをあらためて痛感させられた惨敗だった。 ブラジルは明らかに日本を警戒していた。おそらく、ポーランドで戦った際の印象が強く残っていたということなのだろう。弱い相手には恫喝(どうかつ)の意味もこめて立ち上がりから襲いかかることも多い彼らが、