海上自衛隊は１２日、次期固定翼哨戒機Ｐ１を３月中に厚木基地（神奈川県）に２機配備すると発表した。２０１４年３月末までに同基地に計７機を配備する。今後、２年間にわたって運用試験をする予定。 　Ｐ１は防衛省が現在の主力哨戒機Ｐ３Ｃの後継機として０１年度から開発を進めてきた。潜水艦を捜索する能力などが高まっているという。１機あたりの単価は約２００億円。 　当初、１１年度中の同基地への配備を予定していたが、機体の強度試験でひび割れが見つかり、開発期間を１年延長していた。

【動画】「音のない３・１１」　被災地にはろう者もいた＝寺尾佳恵撮影震災取材の経験を手話で語った今村彩子さん＝３日、山口県萩市完成したＤＶＤを持つ今村彩子さん＝３日、山口県萩市 　【寺尾佳恵】耳が不自由な被災者を追ったドキュメンタリー作品「音のない３・１１」が完成した。自身もろう者の名古屋市の映像作家、今村彩子さん（３３）が撮影。東日本大震災の被災地にはろう者もいたことを知ってほしい、との思いを込めた。 　山口県萩市で今月３日にあった県ろうあ者大会。今村さんは講演で被災地でのろう者の実情を紹介し、「この作品を見て」と手話で呼びかけた。「避難所でろう者が困ったことは何でしょう？」。今村さんがそう問いかけると、会場からは「トイレ？」「ご飯？」「話ができないこと？」と手話で質問が飛んできた。 　今村さんは、震災直後からこれまでに計７回、岩手や宮城、福島を訪れ、約２０人のろう者を取材。撮影した映像は

１２日には検査のためのコウナゴ漁が予定されている。準備をする大津漁協の漁師＝１１日午前、茨城県北茨城市、成田認撮影 　【成田認、山田裕紀】「漁に出られなければ漁師ではない」。１１日午前、茨城県北茨城市の大津漁港に船の手入れに来た７０代の漁師の男性は憤った。 　茨城県沖は本来ならコウナゴ（イカナゴの稚魚）漁の最盛期を迎える頃だが、港には係留された船が並ぶ。東京電力福島第一原発の事故後、北茨城市沖のコウナゴから高濃度の放射性物質が検出されたことが今も尾を引く。 　昨年、出荷自粛が解除されたが、市場の動きが読めない。風評で他の魚種も値崩れし、小型船の多くは操業をやめている。 続きを読むこの記事の続きをお読みいただくには、会員登録が必要です。登録申し込みログインする（会員の方） 無料会員登録はこちら朝日新聞デジタルのサービスご紹介はこちら関連リンク進む生産再開、販路が壁　被災水産業、復興半ば(3/

【瀬川茂子】東日本大震災後も、震源域のまわりのプレート境界の地殻がゆっくりずれ動く「余効変動」と呼ばれる現象が続き、この２年でマグニチュード（Ｍ）８．６以上の地震に相当する変動があったことが、国土地理院の解析でわかった。１１日、政府の地震調査研究推進本部に報告した。 　２０１１年３月１１日の地震に伴う最大の地殻変動は、宮城県の牡鹿半島で東に約５・４メートルの移動だった。その後、余効変動でさらに東に約７６センチ移動した。同じように地震で４９センチ移動した銚子は、さらに４８センチ移動するなど、巨大地震の影響の大きさを示している。 関連記事大震災で東北沖海底に亀裂・断層　大津波の一因か(3/5)海底下１千ｍで地震の「巣」探る　海洋研究開発機構(2/3)国内火山１１６２回噴火　過去２千年　大規模は百年なし(12/1)専門家「Ｍ８余震起きる警告」(12/8)活断層、難しい見極め　原発敷地内の調査進む

鎮魂のため海に向かって新しい鐘をつく江岸寺住職の大萱生良寛さん＝１１日午前８時５６分、岩手県大槌町の赤浜漁港、林敏行撮影 　【東野真和、仲村和代】津波で大きな被害を受けた岩手県大槌町の江岸寺（こうがんじ）に１１日、２年ぶりに鐘の音が戻った。 　「祈りと希望を目指すのにふさわしい、いい音だった」。住職の大萱生良寛（おおがゆうりょうかん）さん（５４）は語った。法要が営まれた後、午前１１時、檀家（だんか）の人たちが鐘をつくと、重く柔らかい音が響いた。 　町では１２３４人が犠牲になった。半分は、江岸寺の檀家（だんか）だった。良寛さんも津波にのまれながらかろうじて助かったが、住職だった父（当時８２）と長男（当時１９）が行方不明に。がれきの下に埋まった鐘は、火事で溶けた。 続きを読むこの記事の続きをお読みいただくには、会員登録が必要です。登録申し込みログインする（会員の方） 無料会員登録はこちら朝日新

長男と同級生のための弁当箱。食べ盛りの２人のため、岩田久美さんは毎朝たっぷりご飯を詰める＝宮城県名取市の仮設住宅、井上恵一朗撮影 　【井上恵一朗】同じ黒いプラスチック製の弁当箱。それぞれのご飯にふりかけやノリを乗せ、おかずに厚焼き卵など４〜５品を入れる。 　宮城県名取市の岩田久美さん（４４）は毎朝、弁当二つを高校２年の長男翔太さん（１７）に持たせている。一つは翔太さんの分、もう一つは家族ぐるみで付き合ってきた翔太さんの同級生の分だ。 　「その子の母親になってあげることはできないし、私にできることはそれくらいだから」 続きを読むこの記事の続きをお読みいただくには、会員登録が必要です。登録申し込みログインする（会員の方） 無料会員登録はこちら朝日新聞デジタルのサービスご紹介はこちら

液状化で突き出た貯水槽のマンホール。震災モニュメントとして保存される＝６日、千葉県浦安市、永井啓子撮影 　【永井啓子】震度５強の揺れで市域の８６％が液状化した千葉県浦安市。ＪＲ新浦安駅前の広場では１１日朝、地下３メートルまでセメント材を流し込み、地盤を固める工事が始まった。市全体で、全半壊の住宅３３００棟の６割は再建を終えたが、宅地と道路や下水道の地盤を一体的に強化する対策はこれからだ。 　住宅の被災が激しかった同市今川地区では、今も道路が波打ち、大きくゆがんでいる。自転車で転ぶ高齢者もいる。子育て中の主婦（４０）は「早く安心できる街に戻してほしい」。生活道路が元に戻るには少なくとも２年はかかるという。 　市は地盤強化の工法や個人の負担額を住民に説明し、夏には各地区の意向を取りまとめたい考えだ。国の補助を得るには地権者の３分の２の同意が必要だが、ある自治会役員は「個人の負担が重くなっては合

強風の中で遺体や遺留品を捜索する消防署員＝１０日午前、宮城県石巻市、小宮路勝撮影東日本大震災の死者、行方不明者の数 　【川端俊一】１０日朝、宮城県石巻市。北上川の河口近くに地元の消防団員ら約３００人が集まり、熊手を使って手作業で土をかき分け始めた。 　児童と教職員計８４人が死亡・行方不明となった大川小学校の下流域にあたる。大川地区ではこの２年、毎日のように不明者の捜索が続いている。 　「いるべき家族がいない。２年になるけれど、あの子の存在感が家族の中で大きくなっているんです」 続きを読むこの記事の続きをお読みいただくには、会員登録が必要です。登録申し込みログインする（会員の方） 無料会員登録はこちら朝日新聞デジタルのサービスご紹介はこちら関連リンク（あの人はここに）妻のやきそばのヘラ(3/10)（あの人はここに）母の着物(3/10)友を胸に卒業式　東日本大震災で被災、宮城の中学(3/10)

サンマの甘露煮をバイヤーに売り込む「マルエイ千田商店」の千田裕さん（左）＝２月２７日、東京都目黒区の恵比寿ガーデンプレイス仮設工場で、サンマの甘露煮のでき具合を確かめる「気仙沼生鮮館やまひろ」の大泉雅彦工場長。秘伝のタレで３時間ほど煮込む＝宮城県気仙沼市昨夏できた工場のラインでは、パートの女性たちが手際よく、カニの身を缶に詰めていた＝宮城県亘理町イオンが昨年１１月に売り出した福島県産の「骨取り味つきかつお」被災３県の水産加工場の復旧状況被災３県沿岸の水産加工品が買えるおもな通販サイト 　【田中美保、志村亮】東日本大震災の被災地沿岸で基幹産業の水産加工業は、２年たっても復興は道半ばだ。原料や生産設備の確保は少しずつ進んできた。だが、失った販路を取り戻すという、もっと高いハードルが立ちはだかる。 　２月２７日、東京・恵比寿のイベント会場。宮城県気仙沼市の水産加工３１社が集まり、小売り、商社、外

東日本大震災から２年を前にした１０日、各地で追悼の行事があった。被災地の人々の悲しみは、いまも癒やされることはない。それでも、失った家族や親しかった人に思いをはせ、祈りを捧げた。 ■凧、天まで届け 　岩手県陸前高田市では、同市と大船渡市で亡くなった人々を悼み、犠牲となった人数と同じ１８９６枚の凧（たこ）があげられた。 　「飛んでいけ」。花巻市の菊池千代美さん（７０）は大空に向かって叫んだ。陸前高田市を襲った津波で、長女礼子さん（当時４２）と孫けいとちゃん（当時８）、りんちゃん（当時６）を失った。 　この２年、悲しみは薄らぐどころか倍になった。強風にあおられる凧の糸を、夫の英雄さん（７３）と握り続けた。凧には手書きで「天上で待ってて　そのうち行くから　ジジ　ババより」と記した。 　岩手県大槌町吉里吉里の吉祥寺であった合同法要。遺族代表の東谷（あずまや）藤右エ門さん（７９）は、妻のケイさん（当

ミュージシャン氷室京介さん（５２）の群馬県高崎市の実家に火をつけたなどとして、高崎署は１１日、前橋市天川大島町１丁目、無職倉田美紀容疑者（３７）を現住建造物等放火の疑いで逮捕し、発表した。出火後、「氷室京介の家に火をつけた」と、同署に自首してきたという。 　同署によると、倉田容疑者は１１日午前５時５０分ごろ、高崎市倉賀野町の氷室さんの実家に火をつけて半焼させ、隣接する無職男性（６３）方約３５平方メートルを全焼させた疑いがある。 　倉田容疑者が火災の約１０分後、車で署を訪れた。同署は、氷室さんの実家の北側にガソリンをまいて、火をつけたとみている。 　氷室さんの実家には両親が住み、氷室さんの母親（７９）が避難する際、右腕骨折の重傷を負った。無職男性も顔に軽いやけどを負った。この火災で、ほかに空き家１棟が全焼したほか、隣接する民家１棟と倉庫２棟の一部が燃えた。 関連リンク群馬・高崎で３棟全焼、氷

山梨県立大は１１日、２月２５日にあった前期入試（面接）で、受験生が受験番号を間違えたまま試験を受け、欠席した別人に合格通知を発送するミスがあったと発表した。受験番号の印字が不鮮明だったことが原因で、大学は正しい合格通知を発送し直した。 　ミスがあったのは、国際政策学部の入試。５桁の受験番号の末尾が「３８」だったが、印字に薄い部分があったため、受験生が「３３」と誤った。事務員が顔写真の照合をしていたが、別人と気づかなかったという。 　大学は欠席していた「３３」の受験生に合格通知を出したが、この受験生から「欠席したのに合格通知が届いた」と連絡があり、ミスが判明。実際に試験を受けた「３８」の受験生を合格とした。 　県立大では１２日に後期入試があるため、受付で受験番号や氏名を記入してもらう「当日受験確認票」を急きょ作成し、来年の入試からは受験番号を押すスタンプを買い替えるという。

【動画】九州・山陽新幹線、直通運転から２年＝戸田拓撮影運転席から見た景色 　【羽賀和紀】午前７時３分。ＪＲ熊本駅の１１番線に、青みがかった白色の車体がまぶしいＮ７００系が滑り込んだ。熊本発新下関行きの「つばめ３２６号」。その運転席に、幅６センチ、高さ４センチの小型カメラを据え付けた。運転士の背中越しに見る車窓の風景は、鉄道ファンの憧れだ。しかし新幹線の場合、乗客は横向きの窓からしか外を見ることができない。朝日新聞デジタル編集部では、ＪＲ西日本・九州の協力で運転席に小型カメラを設置。普段は目にすることができない貴重な映像の撮影に成功した。 熊本から新下関までの動画（２５分）はこちら。動画はログインするとご覧いただけます。 　九州新幹線の全線開通から３月１２日で２年を迎えるのを機に企画された。ＪＲ九州は開通２年を記念して、８００系車両（６両編成）の貸し切り企画や、隣駅まで５００円で乗れる「ワン

ドラえもんにキスする女の子の姿も見られた＝９日午前１０時１７分、神奈川県箱根町、加藤諒撮影桃源台駅駐車場に展示されたドラえもん人形と遊ぶ子ども＝９日午前、神奈川県箱根町、加藤諒撮影 　【加藤諒】ドラえもんの等身大人形１００体を集めた「ドラえもん１００展」が９日、神奈川県箱根町の箱根ロープウェイ桃源台駅などで始まった。 　人形は身長１２９・３センチで、それぞれ表情が違う。新宿駅には元祖ドラえもんが、他の駅には異なる「ひみつ道具」を持ったドラえもんが展示されている。箱根地区に観光客を呼び込もうと小田急が企画し、震災復興支援の寄付も募る。 　６０体が並ぶ桃源台駅一般駐車場には早速家族連れが訪れ、ドラえもんにキスする女の子の姿もあった。３１日まで。

大川小には朝から花を手向ける人が絶えず訪れた。登校前に立ち寄り祈りを捧げる卒業生らの姿もあった＝１１日午前７時２４分、宮城県石巻市、小宮路勝撮影火災で焼け焦げた市立門脇小の校舎の前にしゃがみ込む女性。しばらくの間見つめ続け、手を合わせていた＝１１日午前７時３６分、宮城県石巻市、矢木隆晴撮影津波で流されたままの第１８共徳丸の周辺では雪が積もった。鹿折駐在所があった場所で献花する男性＝１１日午前７時１３分、宮城県気仙沼市、西畑志朗撮影岩手県宮古市田老にある常運寺で１１日、約１８０人の震災犠牲者を悼む法要が行われた。法要後には、防潮堤や被災した市街地を一望できる斜面の墓地で墓参りする参列者の姿が見られた＝上田潤撮影 　追悼式で読み上げられた天皇陛下の「おことば」は以下の通り。 　本日、東日本大震災から２周年を迎えるに当たり、ここに一同と共に、震災によりかけがえのない命を失われた多くの人々とその遺

１１日午前５時５０分ごろ、群馬県高崎市倉賀野町で火災が発生し、ミュージシャン氷室京介さんの実家など住宅３棟が全焼、隣接する民家１棟と倉庫２棟の一部も燃えた。避難の際などに氷室さんの母親ら２人がけがをした。火元や出火原因を高崎署が調べている。 　同署によると、全焼したうち２棟は無職秋山成治さん（６３）方の木造平屋建て住宅約３５平方メートルと、空き家だった木造平屋建て住宅約８０平方メートル。秋山さんが顔に軽いやけどを負った。 　全焼したもう１棟、無職寺西正雄さん（８９）方は、氷室さんの実家で、両親が住んでいた。木造２階建て住宅約１００平方メートルが全焼し、氷室さんの母親の寺西さんの妻（７９）が避難する際、腕にけがをした。出火当時、夫婦で家にいたという。

空がかすみ、かすかにシルエットだけが見えるビル群＝１０日午後２時３分、東京都新宿区、遠藤真梨撮影マスクをしたり目を押さえたりしながら歩行者天国を歩く人たち＝１０日午後２時１７分、東京・銀座、長島一浩撮影 　気象庁によると、１０日午後１時半ごろから東京都心などで、空に煙が立ちこめたようになる「煙霧」という現象が発生した。一時的に視界が悪くなっている。寒冷前線の接近に伴って、強い北西の風が吹き、地表付近のほこりが巻き上がったとみられるという。