自主防災へ「しおり」 東松島・大曲地区の住民組織作成 災害発生時の初期行動などを盛り込んだ「自主防災のしおり」 宮城県東松島市の大曲地区自主防災連絡協議会と大曲まちづくり協議会が、東日本大震災を教訓に「自主防災のしおり」を作成した。大曲地区は震災で300人以上が犠牲になった。しおりは災害に強い社会を実現するため住民一人一人の自助と地域で支え合う共助を啓発し、具体的な行動指針を盛り込んだ。 災害時の対応は、(1)地震発生(2)津波注意報・警報発令(3)避難-のケース別に、「第一に身の安全を確保する」「津波の情報を見聞きしたら最優先で逃げる」「非常持ち出し品を準備しておく」など初期行動を例示した。 行政区の班単位で高齢者に声掛けしたり、安否確認の目印として玄関先に旗を掲げたりするなど、避難する際の留意点も明記。地区内の10自主防災会と仮設住宅自治会ごとに一時的な避難場所と避難所を、津波とそ
幻の鳥瞰図原画発見 50年代の石巻 東北歴史博物館で公開 石巻市内で保管されていることが分かり、公開が始まった「港都石巻市鳥瞰図原画」 鳥瞰(ちょうかん)図絵師の吉田初三郎(1884~1955年)が晩年に描いた「港都石巻市鳥瞰図」の原画が、東日本大震災で被災した宮城県石巻市の住宅に保管されていたことが分かった。トレース図などはあるものの、原画はこれまで見つかっておらず、幻の存在とされていた。初三郎の特別展を開催中の東北歴史博物館(宮城県多賀城市)は24日、原画を借り展示を始めた。 所有者は石巻市の自営業鈴木紀男さん(72)。特別展が開かれている同館を18日に訪れ、学芸員の籠橋俊光さんに伝えた。籠橋さんが鈴木さん宅で現物を確認した。 原画には50年代の石巻市の様子が描かれている。市役所や日和山、パルプ工場などのほか、丸光デパート、岡田劇場、海水浴場といった失われた風景も描写されている。高
石巻まちづくり懇が再開 市、復旧の現状説明 震災後初めて開かれた石巻市のまちづくり懇談会 住民の意見を市政の在り方に反映させようと、宮城県石巻市は23日、渡波地区区長行政衛生連合会とのまちづくり懇談会を開いた。東日本大震災の影響で、約2年3カ月ぶりの開催となった。 同市流留の総合福祉会館「うしお荘」であった懇談会には、市側が亀山紘市長ら17人、住民側は連合会に所属する行政区長ら約30人が出席した。 亀山市長は「行政と住民が一つになり、問題解決に取り組まなければいけない。忌憚(きたん)のない意見をお願いしたい」とあいさつ。避難タワーの建設時期や冠水地域の排水対策など4項目の質問に、亀山市長や市の担当者が答えた。 連合会の末永秀雄会長(78)は「復興事業の進行状況が確認できるので、こういう機会はありがたい。毎年開催できればいい」と話した。 まちづくり懇談会は亀山市長が初当選した2009
あえて車で避難訓練 宮城・亘理町、来月9日実施 訓練を前に車での避難経路を地図で確認する亘理町の職員 宮城県亘理町は6月9日の総合防災訓練で、沿岸部に在住する約1700世帯を対象に「車避難」を初めて実施する。津波から逃げる際は徒歩が原則とされているが、平野が広がる亘理は沿岸から高台まで距離がある。町は「さまざまな選択肢が必要」とあえて車の使用に踏み込み、渋滞の箇所などを確かめる。 訓練は、震度6弱の地震で大津波警報が発令され、40分後に津波が到達すると想定。町内全戸に内陸や高台の小中学校への避難を呼び掛ける。東日本大震災の津波で浸水した荒浜、吉田東部両地区を中心に19行政区には車避難を指示する。 住民には、区長を通じてあらかじめ町道などの避難経路を提示。経路の要所には町職員や訓練に協力する委託業者らを配置し、渋滞の発生などを確かめる。避難車両は各世帯2台で計3500台程度を見込む。
チリ地震津波から53年 大津波3度経験「また来る」 歴史的な大津波に三たび遭遇した千葉さん。津波の恐ろしさを説く=宮城県南三陸町 53年前の1960年5月24日早朝、チリ地震津波が日本沿岸を襲った。死者・行方不明者は岩手、宮城両県を中心に142人を数えた。宮城県南三陸町志津川の印刷業千葉賢二郎さん(89)は押し寄せる波に巻き込まれたが、辛うじて生還した。33年の昭和三陸津波、2011年の東日本大震災と、歴史的な津波を三たび経験し、「三陸に大津波は必ずまた来る」と警告する。 「子どもの時分から『地震があれば津波の用心』と聞かされてきた。地震がないんだもの、津波なんて想像もしなかった」。千葉さんは、不意を突かれたチリ地震津波の衝撃を語る。 自宅は志津川漁港の近くにあった。引き潮に津波を予感した漁協の組合長が家々に避難を呼び掛けた。半信半疑で家族を高台に避難させた千葉さんは、戸締まりのため再
キリン、ビールのコンセプトショップオープン 仙台 明るい雰囲気の中でフローズンビールを楽しめる「キリン一番搾りガーデン仙台」 キリンビールのコンセプトショップ「キリン一番搾りガーデン仙台」が27日、仙台市青葉区の複合商業施設「EDEN(エデン)」にオープンした。泡を凍らせた生ビールやビアカクテルなど新しい楽しみ方をPRする。営業は9月28日まで。 出店は昨年に続き2度目。昨年好評だった一番搾りの上に凍った泡を載せた「フローズン生」に加え、ことしは黒ビールの「フローズン黒」や、果汁を加えたカクテル「一番搾りツートン」12種類を販売する。 南三陸町産のあぶりタコと仙台トマトをマリネにした限定メニューを含むつまみ類、ソフトドリンクもそろえた。 キリンビールマーケティングの石田明文執行役員東北統括本部長は「ビールのうまさと飲む楽しさを味わってほしい」と話す。 営業時間は平日が午後4~11時
気仙沼の小中学校再編計画、賛否交錯 市教委6月にも正式策定 統合反対の意見が相次いだ白山小の地域懇談会 宮城県気仙沼市教委が検討している小中学校の再編計画が正念場を迎えている。将来的に現在の32校を18校に減らす方向で、このうち小規模な3校は来春をめどに、近隣校と統合する案を示している。対象となった地元からは「統廃合は地域を崩壊させる」と反発する声が上がる一方、推進を求める保護者もおり、住民の思いは複雑だ。(気仙沼総局・神田一道) <相違が浮き彫り> 市中心部から北東約10キロにある児童21人の白山小。16日夜の地域懇談会で、市教委は来年4月に近隣の鹿折小と統合させる案を説明した。 「学校は地域の中核。なくなれば過疎化が加速する」「もっと長いスパンで考えてほしい」。集まった保護者や住民ら約20人からは反対意見が相次いだ。 市教委が3月にまとめた「義務教育環境整備計画案」では、3段階に
福島・帰還困難区域の幹線道 住民の通行可能に 政府は29日、福島県内の国道6号、288号など幹線道のうち、福島第1原発事故の帰還困難区域区間の通行を6月17日から周辺12市町村の住民に認めると発表した。 区間は地図の通り。大熊町内で国道6号と288号を結んでいる県道と町道も通行できる。 12市町村は南相馬市や双葉町、川内村など避難区域の11自治体のほか、避難区域に一時指定された広野町。通勤や通院、帰還などの理由がある場合に許可証が発行される。6月3日に各市町村で申請を受け付け始める。 帰還困難区域は立ち入り禁止で、車の通行はこれまで市町村職員や除染作業員らに限られていた。
アサヒ、仙台・クリスロード商店街にコールドBAR開設 黒を基調にした「アサヒスーパードライ エクストラコールドBAR仙台」 アサヒビールは、氷点下に冷やしたビールを味わえる「アサヒスーパードライ エクストラコールドBAR」を29日、仙台市青葉区のクリスロード商店街にオープンする。営業は9月30日まで。 仙台出店は初めて。期間中、4万8000人の来場を見込む。特殊サーバーで氷点下2~0度に冷やしたスーパードライとドライブラックのほか、フルーツを加えた「BARスタイル」も販売し、新たなビールの楽しみ方を提案する。 28日には関係者向けの内覧会が開かれ、2006年トリノ冬季五輪金メダリストの荒川静香さんが応援に駆けつけた。アサヒビールの西久喜東北統括本部長は「おいしいスーパードライを提供して宮城の皆さんに元気を発信したい」と語った。 営業時間は月~土曜が午前11時半~午後11時、日・祝日は
名取・閖上現地再建混沌 広がるギャップ、進まぬ合意形成 東日本大震災で被災した宮城県名取市閖上地区の復興計画で、住民の合意形成が進まない。市が今春行った個別面談で、「閖上に戻りたい」という意向を示した住民は25.2%と、昨夏の面談時の34.1%を下回った。現地再建を目指す市の方針に反して内陸への移転を望む住民は多く、閖上の将来像は混沌(こんとん)としている。(岩沼支局・成田浩二) 「この数字でも計画は成り立つのか」「住民意識と計画とのギャップが大きいのではないか」 21日の市議会震災復興調査特別委員会。面談結果を示された市議からは、復興計画を疑問視する声が相次いだ。 <移転希望が6割> 個別面談では、閖上に戻る意向を示したのは459世帯にとどまった。一方、区域外への移転希望は、移転済み、仙台東部道路西側の災害公営住宅の入居希望者を合わせ1086世帯で、回答者の約6割に達した。 面談
三陸復興公園が誕生 「陸中海岸」に「種差海岸階上岳」編入 三陸復興国立公園に指定された種差海岸の天然芝生地=八戸市 東日本大震災の被災地再生のシンボルとして、東北地方太平洋沿岸の自然公園を再編する「三陸復興国立公園」が24日、誕生した。地元では観光の起爆剤としての期待が膨らみ、青森県八戸市などが市役所に看板を設置して祝った。 青森県の種差(たねさし)海岸階上岳(はしかみだけ)県立公園を陸中海岸国立公園(岩手、宮城)に編入して復興国立公園に改称、断崖絶壁が続くリアス式海岸や種差海岸の天然芝生地といった風光明媚(めいび)な景観が広がっている。 八戸市から福島県相馬市松川浦まで海岸沿いに約700キロを結ぶ長距離歩道「みちのく潮風(しおかぜ)トレイル」も目玉プロジェクトで、今秋一部が開通する。津波被災施設の「災害遺構」としての保存公開や、特産品を生かして自然に親しむエコツーリズムなどの構想も浮
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く