米軍資料が語る仙台空襲　市戦災復興記念館でパネル展 米軍の作戦任務報告書にある空襲前の仙台市中心部の写真。左下方に記された円が「爆撃中心点」で、現在はクリスロード商店街になっている＝米国立公文書館所蔵、工藤洋三氏提供 仙台市の中心部が一夜で焦土と化した１９４５年７月１０日未明の仙台空襲の実態を、米軍の保管資料から読み解くパネル展が青葉区の市戦災復興記念館で開かれる。５日に始まる「戦災復興展」（市主催）の一環。戦後、被害状況の資料や被災者の体験、遺物は多数紹介されているが、市内で初めて米軍側の記録が網羅的に公開される。 　展示パネルはＡ２判の大きさで約４０枚。同じ日に仙台を含め４都市、１工場を爆撃した米軍の作戦任務報告書から仙台空襲の部分を抜粋し、翻訳と解説を付ける。 　報告書によると、米爆撃機Ｂ２９が投弾の目標とする爆撃中心点は現在の青葉区中央２丁目、中央通と東三番丁が交差する辺りに定めら

都が避難世帯にアンケート「東京定住」４４％希望 東日本大震災と福島第１原発事故で東京都内に避難している世帯に都が実施した調査で、都内定住を希望する世帯が回答者の約４４％に上り、前回調査を上回ったことが分かった。回答者の約８割は福島県からの避難世帯で、原発事故が収束せず、地元への帰還を諦める世帯が増えている実情が明らかになった。 　都は２～３月、都内に避難している３５５５世帯にアンケート用紙を郵送し、１１３９世帯（３２％）が回答した。回答者の約８１％を福島県の避難世帯が占め、約１４％が宮城県、約４％が岩手県の避難世帯だった。 　「今後の生活の予定」に関する質問への回答結果はグラフの通り。都内定住と仮設住宅入居期間内の都内居住を望む世帯が計６１．２％を占めた。都内定住は昨年２月の前回調査は３７．２％だった。 　都内定住を希望する理由（複数可）は「放射能による健康への影響が不安」が５６．５％と最

帰還希望、半数割る　登米市内の南三陸町仮設住民アンケート　 登米市への定住を決めた後藤さん夫妻。建築中の新居は仮設住宅のそばに立つ＝登米市南方町 東日本大震災で家を失い、宮城県登米市の仮設住宅で暮らす宮城県南三陸町の被災者のうち、町への帰還を希望している人は５割弱にとどまることが、河北新報社が実施したアンケートで分かった。４割強が登米市に対し、災害公営住宅の整備や住宅購入資金の援助など定住支援策を求めており、被災地を離れた住民の帰郷の難しさが浮き彫りになった。 ◎医療・雇用で町外選択 　仮設住宅退去後に居住を望む自治体は、南三陸町が最も多かったが４８．２％と半数を割った。登米市は２０．８％、両市町以外の自治体は３．０％だった。 　「分からない」（２７．９％）と答えた人に、あえて現時点での希望を尋ねたところ、登米市４１．８％、南三陸町３０．９％、他市町１４．５％、「決められない」１２．７％の

金華山沖の漁船転覆　「ひき逃げと同じ」乗組員ら会見 会見する第７勇仁丸の松元機関長（左）ら＝２４日午後５時ごろ、塩釜市のマリンゲート塩釜 宮城県・金華山の南東約３００キロの太平洋で、高知県須崎市のマグロはえ縄船「第７勇仁丸」（１９トン、９人乗り込み）が転覆し、１人が行方不明となった事故で、救出された乗組員８人が２４日午前、海上保安庁の巡視船で塩釜港に入港した。漁船の乗組員、関係者らが同日夕、記者会見し「他の船に衝突された」「相手の船が現場にとどまらなかったことは残念。許せない」と憤りをあらわにした。 　第２管区海上保安本部（塩釜）によると、事故当時、外国船籍の５万トンを超える大型自動車運搬船が事故現場の海域を航行していたことが判明。２管本部が２４日、運搬船と連絡を取り、仙台港へ向かうよう要請した。２管本部は２５日、運搬船の航行記録や船体などを調査し、乗組員らから事情を聴く。 　２管本部は２

「太陽光発電」薄雲漂う　住民参加型事業に応募ゼロ　加美 太陽光発電所の建設予定地 宮城県加美町による住民参加型の小規模太陽光発電所の計画が、第一歩を踏み出せるかどうか微妙な状況になっている。設置と運営を担う事業者の応募が、２５日の締め切りを目前にしても全くない。町民から出資を募り売電収入を還元する仕組みで、県内では珍しい。企業だけが収入を得るケースが多い現在の太陽光発電ブームに一石を投じられるかどうか。実現への道のりは平たんではない。（加美支局・関俊哉） 　計画では、近くに移転した上多田川小跡の町有地約１万２０００平方メートルを、町が事業者に有償で貸与。出力２５０～４００キロワット程度の発電所を建設してもらう。総事業費約１億円で、７月に事業者を決め、来年４月の発電開始を目指す。 　事業者が出資を募り、建設費に充てるのが最大の特徴だ。事業者は電力を東北電力に売り、収益を出資者に還元する。地元

高知の漁船転覆、船長不明　他船と衝突か　金華山沖 宮城県・金華山沖で二つに割れ、転覆した「第７勇仁丸」の船尾部分＝２３日午後１時３３分（海上保安庁提供） ２３日午前１０時１５分ごろ、高知県須崎市のマグロはえ縄漁船「第７勇仁丸」（１９トン、９人乗り込み）から遭難警報を海上保安庁が受信し、出動した海保の航空機が宮城県・金華山の南東約３００キロの太平洋上で、二つに割れて転覆している同船を発見した。 　第２管区海上保安本部（塩釜）によると、同日午後１時５０分ごろ、救命ボートに乗っている８人を僚船が救出したが、船長の義沢宏志さん（５２）＝高知市＝が行方不明となった。 　救出されたのは機関長の松元宏さん（５７）と甲板員、機関員のインドネシア人７人の計８人。いずれもけがはなかった。 　２管本部によると、松元さんは電話聴取で「他の船舶と衝突したことによって転覆した」と話したという。２管本部は付近を航行した

列車の一日オーナーいかが　秋田内陸縦貫鉄道 昨年運行されたワンデーオーナー号（秋田内陸縦貫鉄道提供） 秋田内陸縦貫鉄道（秋田県北秋田市）は、列車の一日オーナーを募集している。一般客が乗る列車の前面に、自分の名前やメッセージを書いたヘッドマークを付け、「ワンデーオーナー号」として運行できる。同社は「自分だけの内陸線を走らせて」とＰＲしている。 　ヘッドマークは直径８０センチの円形。下半分に「結婚おめでとう」「じぃじ還暦お祝い」といった文字を書いた贈り物としてや、企業や団体などの広告でも利用できる。 　オーナー号は、内陸線（角館－鷹巣、９４．２キロ）の阿仁合駅を起点に鷹巣と角館まで運行し、全線を１往復する。オーナーには無料乗車券が贈られ、乗車時には車内アナウンスで紹介される。 　料金は１万円。運行は来年１月５日までで、１日１人限定。先着順で、日にちは記念日など自由に決められる。 　内陸線は県と

松島の絶景ＰＲ　ＡＫＢの北原さんら６人、一日観光大使 遊覧船で子どもたちと交流したＡＫＢ４８の（前列左から）北原さん、大場さん、岩佐さん 人気アイドルグループＡＫＢ４８のメンバー６人が２２日、宮城県松島町を訪れ、一日観光親善大使として日本三景松島のＰＲ活動をした。 　松島海岸中央広場であったセレモニーでは、松島町の高平功悦副町長からＡＫＢ４８メンバーの北原里英さん、川栄李奈さん、大場美奈さん、岩佐美咲さんらに委嘱状が手渡された。北原さんは「松島は初めて。カモメがいっぱいいて楽しい。笑顔と元気を皆さんに贈りたい」と話す。 　メンバーはミニライブのほか、松島湾一周の遊覧船クルーズにも参加。船内で地元の小学生ら約６０人と記念撮影をしたり、質問形式で語り合ったりして楽しく交流した。松島二小５年の中村歩君（１０）＝松島町＝は「きれいな松島を見てもらって、とてもうれしい」と感想を語った。 　ＡＫＢ４８

車で避難９割、渋滞影響２割　震災と昨年の地震　宮城・山元　 東日本大震災による津波で全域が被災した宮城県山元町花釜行政区は、東北大災害科学国際研究所の保田真理助手（減災教育）らと連携し、住民に避難行動のアンケートを行い、結果をまとめた。震災と、昨年１２月７日の地震では回答者の９割が車で避難した一方で、渋滞に巻き込まれた住民も目立ち、避難施設の整備や避難ルール作りの必要性が浮き彫りとなった。 　調査は３月、地区に居住する約２３０世帯を対象に行い、１３０世帯から回答を得た。同行政区では昨年１２月、河北新報社の防災ワークショップ「むすび塾」が開かれた。一帯は平たんで高台に遠い。車避難による渋滞を不安視する声が多かったため、住民自ら避難行動や意識の変化を探った。 　震災と、昨年１２月７日に宮城県沿岸に津波警報が発表された時の避難行動について質問。避難手段は、いずれの地震でも「車で避難した」とする回

気仙沼の打ち上げ船　解体へ契約　所有会社、北海道のＮＰＯと 解体作業を行うＮＰＯ法人が決まった第１８共徳丸＝２２日、気仙沼市新浜町 東日本大震災の津波に流され、宮城県気仙沼市鹿折地区に打ち上げられた大型漁船「第１８共徳丸」（３３０トン）をめぐり、船を所有する「儀助漁業」（福島県いわき市）が船の解体作業をＮＰＯ法人「シップリサイクル室蘭」（北海道室蘭市）に請け負わせることで合意していたことが２２日、分かった。 　儀助漁業と同法人との作業請負契約は２１日付で結ばれた。同法人は廃船の再生利用事業に取り組んでおり、共徳丸に関しても船体をリサイクルに回すことで環境に優しい解体作業を進める。 　今後は同法人が主体となって関係行政機関などと調整し、解体作業を本格化させる。作業の着手時期は未定だが「実際に作業が始まれば１、２カ月で撤去が完了する」（儀助漁業）という。 　共徳丸をめぐっては、市が震災遺構とし